【きれいな話が好きならば見て損はない】
あの時代は好きですし、イギリスの街角、紳士淑女の衣裳、
ハイドパークまで出てきた日には感涙ものです。イギリス好きならこれだけ並べられて嫌いになれるはずがない。
いい話でした。好きな作品です。
なんといってもジョニー・デップがね。
表情が気持ちいい。見ていて説得されてしまう。予想される演技とはちょっとずれた、
音楽で言う1/f揺らぎのようなものを感じる。
「ショコラ」「カリビアン」「レジェンド・オブ・メキシコ」のアクの強い役柄とは違った、
折り目正しい役柄でも、やはり魅力がありました。
しかし好きな作品でも、不満に思うところはあるのであって。
バリとあの家族との関わり方には、少々無理があるように思う。
時代はヴィクトリアン(少々ずれてるけど)ですよ。
映画の中でも描かれていた通り、当然スキャンダルになったでしょう。
上流階級のバリがそこまで横紙ヤブリをするほどの執着の要因がうまく描けてない。
子供たちとの関わりとシルヴィアへの愛情、二つに分けた結果、どちらもぼやけてしまっている。
バリは淡々と「娘さんを愛していました」などと言いますが、それはどうかな~。
むしろ、自分自身にさえ認めないほどの愛情を描いた方が、切羽詰った感じが出せたのでは。
それでこそスキャンダルにしようとする世間に対しても「疚しいことはない」と
(心底に葛藤を感じつつも)主張出来るはず、主張した方が良かった。
彼も上流の価値観とは無縁ではないはずですから。
ここが一番ひっかかりました。
……あ、もっとひっかかったところ。
ネバーランドが安っぽい……_| ̄|○。。。。あれじゃあ、学芸会ですよ。
舞台上という設定なら知らず、あれはシルヴィアの脳内の”ネバーランド”であるべきところ。
それが学芸会ではねえ。あそこは失笑ものでした。おいおい。
あとはシルヴィアのお葬式あたり、もう少し何とかなったような。
無くても良かったような気がする。最後の最後に祖母と対決させる意味はあんまりなかったのでは?
葬儀を何となく描いて、あとはラストシーンに繋げても良かったのに。
とまあ、色々言っても、好きです。見終わって心が平和になる。
子役も良かったしね。ピーター・パンの舞台は喝采を浴びるところも、お約束だが嬉しくなります。
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