誰だったか忘れたけど誰かがおすすめしていたので読んでみた。
全7巻だけど、面白くなければすぐ止める気満々。
そしたら面白かったですねー。
この人はフランス文学者らしい。フランス文学の翻訳をしているらしい。
その人が若い頃を過ごしたパリの思い出を語る1冊。
こういうのは名著率が高いよね。
1902年生まれ。なんと2000年、97歳まで生きた長寿の人。
大正期に学生時代を送り、昭和初期にパリのソルボンヌ大学で学ぶ。2年強。
20代後半を過ごした、青春の地。
その愛着が文章に出ていた。いいね。こういうのは。
柔らかい、優しい感じの文章。話し言葉っぽい。語りかける系。
滋味のある。庄野潤三を思い出したな。
こういうのは、
1.河盛がパリにいたい時間軸
2.パリを思い出して本人が文章を書いた時間軸
3.文章が全集に編まれた時間軸
4.全集をわたしが読んでいる時間軸
の4つの時間軸を意識しながら読むのが楽しい。
積み重なった時間が重層的になって、遠く近く揺らめく。
パリ留学時代は舞台をたくさん見たらしいよ。
DVDとかで保存できる時代じゃないから、舞台はまさに一期一会。
貴重だったろうなあ。宝石のような経験だろう。
他人の出来事とはいえ、その思い出のキラキラ感は想像出来るような気がする。
これは読みますよ。2巻も3巻も。
もっとも今後はフランス文学や日本文学についての文章らしいから、
ついて行けるかは不明だが。でもガチガチの文学論ではないと信じる。
無理だったらすぐ止める。
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