とんぼの本を初めとする図説シリーズは好き。写真がきれいだし、
切り取り方が好きなのよね。歴史、美術、旅がメインで。
金とスペースが十分にあれば、シリーズ全部の中から好きなもの選んで大人買いしたい。
多分軽く数十冊になるだろう。
とはいえ、読み物としてはそこまでではないものが多い。
そして読み物としてそこまでではないということは、そんなに感銘を受けないことが多い。
とんぼの本の価値はやはり写真で、文章は添え物……とまではいかないが、
おおまかな説明をしてくれる立場なので、「おおっ、そうなのか!」というほどの
目新しいことはあまり書かず、周知のことを書く。まあそういうものだろう。
でも今回のこれは感銘を受けた。全然知らないことを教えてくれた。
それは何かというと、シチリアのモザイクのユニークさ。
カルタゴのモザイク、ポンペイのモザイク、それなりにユーモラスな味は
含んでいたと思うが、シチリアのモザイクの可愛さは異常。
そのまんまゆるキャラ(キモゆるキャラ)になるわ。
シチリアはギリシアの遺跡が豊富なことは有名だから、行ってみたいとは思っていたけど
こういうゆるかわな色々もあるんですねえ。ロマネスクの。
南イタリアはポンペイ日帰りツアーに行っただけ。
ナポリも見てないから気になるし、レッチェのバロック建築も見たいし、
フェデリコ2世の八角形のお城も見たいよねー。
そうは思うが、南イタリアは治安的にハードルが高い。
治安が悪い悪いと言われているところも、実際に行くと、いうほど悪くはない
ところが多いとは思うのだが、治安が悪いと言われると
行くのを躊躇するから実際に行った処は少ない。
この本は内容自体も全然専門家っぽくなく、食べ物と見どころをメインに書いていて、
ほんと旅心が誘われるわよねー。ガイド本というか、旅の種になる本。
「イタリア古寺巡礼」というタイトルがまったく内容を表してないと思う。
本家の「イタリア古寺巡礼」は和辻哲郎じゃないですか。
あんなに辛気臭くもなく、小難しくもなく。
もうほんとに写真を楽しみ、食べ物の文章を楽しみ。解説はちょこっと。
気軽に楽しむ本だ。もっといいタイトルがあったと思うねー。
今回読んだのは全3巻あるうちの3巻目だけなんだけど、前の2巻も入手しても
いいかなと思えて来た。この高さの本が入る棚は少ないので悩むが……。
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