塩田武士は3冊目。前の2冊、道具立てはいいのにどうも歯ごたえがなく、
合わない作家だと思った。
この作品は前に千葉雄大主演のドラマを見て面白かったので、最後にするつもりで。
そしたら千葉雄大主演は「盤上のひまわり」でした。別ドラマ。
ただこっちもドラマにはなったことがあって、主演は玉木宏だそうです。
テーマは将棋で、著者本人は元将棋記者だっていうし、
けっこう細かく書いていた。
一般人にもわかりやすく、とは思って書いたんだろうけど、
わたしはちょっと退屈。
ドラマになりやすい、あらすじ的な作品なんだろう。
ドラマが原因で読んだのでそう思うのかもしれないが。
ストーリーが……悪くはないんだけど、やっぱりどうも歯ごたえがないんだよなー。
歯ごたえとはなんぞや、と訊かれるとこたえられないんだけど。
文章がところどころ俗っぽい。ふと気を抜くと月並みな言い回しが出てしまう感じ。
文学的な言い回しを求めているわけではないが、月並みが出て来ると途端に萎える。
こういうの、やっぱり記者育ちの人は……と偏見を持ってしまうんだな。
多分記者になるような人は、傾向として文学作品はあまり読んでいない。
まあまあ楽しめた点は、主要人物を脳内でキャスティングして読めたこと。
記者の秋葉は津田健次郎。
将棋指しの真田は、最初の風貌説明ではマフィア梶田の姿が浮かんでいたが、
読み進むにしたがって、糸谷哲郎八段に変わっていった。カワイイからね。
静は麻生久美子。
実写ドラマを作る際にはご参考に。って、すでに作られてるっちゅうねん。
この作品には続編もあるそうなんだけど、
歯ごたえがないと思い続けながら読むのもなんなので、
塩谷武士はここで打ち止めでいいや。
キャラクターのその後はちょっと気になるけど。
コメント