ギリシャ神話はわりあい人生の早い時期に読んだ。小学生くらい。
星も好きだったし、星の神話も好きだったし、星占いも好きだったし、
花言葉も好きだったから。
ギリシャ神話は咀嚼しやすかったけれど、ギリシャ神話に馴染んだ分、
北欧神話はなかなか消化できなかった。
すっきり整理出来ているギリシャ神話に比べて、北欧神話はわりと複雑……。
中学生の頃か、北欧神話に興味を持って何とか覚えたいと思ったのだが、
その頃あまり関連本もなくて、エッダをそのまま読んでもよくわからず、
断片的にしか覚えられなかった。それでも単語を覚えるだけでも愉しかったけどね。
ミッドガルド蛇とかフェンリル狼とか、アルフヘイムとかイグドラシルとか。
英語とも違う、ギリシャ語とも違う、不思議な響き。
この本は子供向けに書かれているので、そういう意味では大変読みやすい。
そして大人が読んでも楽しめる。なので、北欧神話を読みたい向きにはおすすめ。
全体を網羅出来るというほどではないけれど、ちゃんと物語として書いてあるので
頭に定着しやすいと思う。
ただニール・ゲイマンによる脚色が入っているので、その脚色がどのくらいを
占めるのか、判断する基準がないのでそこのところはちょっとコワイ。
悪意を持って内容を歪めるというわけではなくても、神話として読んだ場合
ちょっと違うということもあり得る。
大昔は信仰だったわけだから。ゲイマンはイギリス人だそうだし、
たとえば日本神話に興味を持った外国人が物語として日本神話を書いたとして、
日本人が読むと違和感がある、という可能性もあるでしょう。
神話という方向から概説してくれる学者の本があるとうれしいけどなあ……。
あんまり難しくないヤツで、頭に入る程度のシンプルさで。
なかなかわがままなお願いですけれども。
日本でも北欧神話を研究している人はいると思うんだけどねー。
ちなみにこの本の良さの3割くらいは訳者の金原瑞人・野沢佳織に負っていると思う。
金原瑞人はこういう、易しく詩的に読める翻訳をしてくれていいですね。
装丁もよく見ると美しい。いい本だと思います。
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