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< 怪談牡丹灯籠 >

コワイのが苦手なので、怪談と名がつくものには食指が動かない。
つかなくてもコワそうだと食指が動かない。
なので、タイトル的にどうしようかと思ったんだけど、尾野真千子が主役だというので見た。

牡丹灯籠といえば、カラーンコローン……カラーンコローン……
これしか知らない。

でも他にもいろいろあったのね。忠臣蔵が脇筋に四谷怪談まで抱えるごとくに。違うか。
尾野真千子はあまり主役感のない、地味な役。
演技上手いと思うけど、もう少し派手な演技にしてもいいと思うよ。
柄本佑は楽しみな役者だけど、この役にはもう一つ色気がある役者が欲しい。

とにかく話は変でした。

なんといっても病弱な奥様に長年使えていた侍女が、隣の親戚の甥だか従弟に初めて会うってのは
変だなあ。いくら柄本が5年江戸を離れていたといってもね。
侍女として仕えてきたのは何年なんだ。十数年は奥様に仕えて来たイメージだったのだが。
一人娘と年恰好がぴったりなんだから、将来の婿がねという狙いは双方にあったと思うのさ。
そういう関係なのにお初にお目にかかります、というのは不自然だ。

最終回はまったく面白くなかった。
これでもか、と因縁が積み重なるのは江戸芝居文法ともいうべきお約束だが、
まがりなりにも現代で作られるドラマで、それをやられても困る。

後継ぎって平時に定めておくべきもので、当主が急死した時は即刻御家断絶の筈ですよね?
しかも不義密通の相手に刺されて(実際は違うけど)、まごうかたない不面目な死。
まだ娘でもいれば無理くりの温情で死後養子もぎりぎりありかと思ってやってもいいが、
基本は書類仕事。書類さえ出せない状態で家が存続するわけがない。

しかも後継ぎは生まれるかどうかすらわからない孝助の第2子ってんだから笑わせる。
最低3年かかりますけど、その間はどうしてるんですか。アホですか。

尾野真千子が短筒をがんがん撃ちまくる……。
どこで手に入れてどこで練習をしたのか……。
柄本佑は髪結いの亭主をやってても生活荒れなかったんですねえ。
荒むのがお約束な気がするが。時間の経過が全く感じられない。

谷原章介が悪人なのはいいとして、話の前半、まるで罠にかけるように
むりやりに七之助とお露を会わせてますよね?
あんなことをしても全く意味がないのにどうしてそこまでする。
というか、そこで谷原章介が無理やりという話の流れにせずとも、
単に七之助がちょっと好奇心を動かして気軽に会いに行くという流れで良かったものを。

1話目が1番面白く、最終話で最低ラインに着地するというドラマでした。
脚本が箸にも棒にもかからない。

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