池澤夏樹による世界文学全集の1。今後はこのシリーズを読んでいきますよー。
長いよー。でも救いは多少読んだことのある作品が間にちょこちょこ混じっていること。
とはいえ、1巻に2長編が納められていて、読んだの片方だけとか普通にあるんだが。
初めに池澤夏樹による解説で、「オン・ザ・ロードは従来「路上」と訳されてきたが……」
という話を読んでいたので、そのおかげで読み通せた。
日本語の「路上」だと道の上のもの、という静的なもののイメージらしい。
だが英語で「オン・ザ・ロード」だと、ニュアンスに「途中」が含まれるらしい。
これは大きな違いだ。
読んでみるとたしかに道の途中の話だった。ずーっと途中。
まあこういうイカレたような話に共感出来ないわたしからすると、
だからなんなんだ、といいたい作品ではあるんだけどね。
でもまあまあ面白く最後まで読めたよ。面白く?うーん?
ずっと乱痴気騒ぎのヒッチハイク旅を読んでいて何が楽しいのか。
面白うてやがてかなしき鵜飼かな、の心境なのか。
死なないのがおかしいくらい、めちゃくちゃに飛ばして、万引きをして、
お金はなくて。……しかしお金がないわりにはそんなにガソリン代に不足することもなく、
(たまに足止め食うけど)旅が続けられてしまうことに違和感を持ち。
こんなに食べてなくて生きられない、と思うが旅は続けられる。
この辺からひっかかっていたら読めませんけどね。
でも最後まで読めたのは訳者の力だろうなー。
こういうのを読んで「アメリカだから……」とひとくくりにすることはイケナイんだろうか。
ヨーロッパでは絶対出てこない雰囲気の作品だと思うんだよ。
転がる石の転がり具合を面白がれということなんだろうか。
でも石が転がるということに興味を持てなかったら面白くないよね。
共感が持てたら面白い?時代や世代を選ぶ?
1000年前の世界でも共感出来る時は出来るから、それは必ずしも現実の世代ではないけれども。
まあでも世界文学全集を読むということはこういうことです。
なのであっさりと次へGO。
あ、そうだ。ただ唯一心に響いた部分があって、ジャズの演奏シーン。
そこだけきらめいていた。
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