文庫上下巻で1200ページ近く。けっこう苦労した。
……実はこれも新聞小説でね。諸田玲子「奸婦にあらず」に引き続いて、
なんで連続して新聞小説を読む羽目になっているか。不思議。
(そして次に恩田陸の小説を予約しようとしたら、借りようとした本がまた新聞小説で。
もっと後で読もうと思って別な本を予約した。
昨今、世の小説はみんな新聞小説になっているんですか?(←極論)
朱温=朱全忠。なんとなく聞いた名前な気がするけど、では誰だという説明は出来ない。
詳しくはwikiでお願いします。
で、感想としてはね。
上巻の半分くらいは小説なんだけど、それ以降は単なる歴史の筋をなぞっただけに見える。
それでもあんな込み入った状況を描いて全体的にうっすら面白いのはお手柄だが、
やっぱり小説を読みたいと思って読んでいるので、満足感はないんだよなあ。
朱全忠も若い頃だけは個性があるんだけど、あとは
「泥底のような目で」相手を見返すだけで、全然目鼻立ちがはっきりしなくなる。
単に有能で、しかし冷酷で、女に見境なく手を出すキャラでしかなくなっている。
むしろ李克用とか楊行密とかの方がキャラクターとして血が通ってたなあ。
最後もとってつけたように夕陽。死んだ兄姉。……ちょっとカンベン。
歴史的に、すごく込み入った時代であるようなので、全部で登場人物は300人くらいはいた気がする。
いや、数字に根拠はないが。400人かもしれない。
まあ300人なり書いて、それなりに読ませるのはえらい。腕がある。
……ただ、その歴史的な動きが今頭に残ってるかというと残ってない。
細かすぎますよね。いくらなんでもね。
というわけで、大作のわりにはわたしの評価は高くない。
いや大作だからこそか。期待値がどうしても高くなるもんね。
あれ?朝日新聞出版だから、てっきり新聞小説かと思ったが、初出は学研から出たらしいね?
すみません、じゃあ新聞小説ではないかもしれない。
この細かさで毎日少しずつ読んでも、全然頭に入らないだろうな。
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