竹本綾之助が主人公の小説。そういう意味では歴史小説というべきだろうが……
主人公がマイナーなだけに、雰囲気は時代小説に近い。
だいたい竹本綾之助って誰だか知ってますか。わたしは知らなかった。
女義太夫だそうです。でも実は、義太夫と浄瑠璃と浪花節と清元とその他、全然区別がついていない。
まあとにかく何か語り物ですよね。超大雑把な括り。
この人は資料をちゃんと用意した上で書く人だと思うので、基本的な大筋は安心している。
でも多分その資料自体も、それほどの量はないだろうなあと想像。
新聞記事とかもしかしたらチラシの類はそれなりにあるだろうけれど、
本人の手紙なんかの類はどうなんだろう、あるんだろうか。
フィクションとしては幾分盛り上がりに欠けるうらみがある。
でも盛り上がりよりもむしろこの人の狙いは、その時代についての啓蒙活動な気がする。
その時代の空気感を一般人に周知させたい。わたしはそう感じる。言い方が固いですか。
あそこまで癖はないけど、飯嶋和一みたいなね。マイナーな人物を取り上げてくれてありがたい。
今まで全然知らなかった人について知ることが出来る。
昔は、歴史小説といったら戦国か幕末かといったイメージだったが、
今はたくさん書く人がいて、なかなか細かい人々まで書いてくれる。
まあわたしがそういう本に出会えればだけど。
![]() 星と輝き花と咲き (講談社文庫) [ 松井今朝子 ]
|
ふと思いついて、久々に自分の課題図書リストを見直したところ、
この10年くらいはあまり積極的に情報収集をしていないため、18ページくらいに減っていた。
最大値は何ページくらいだったかなあ。23ページあった頃は覚えているんだが。
多分死ぬまで読んでも消化できない気がする。
最近は残りの人生を数え、あんまり読みたくない本は読まなくなった。
今日は「呪のデュマ倶楽部」を諦めた。ミステリだというし、
タイトル的にはけっこう期待していたのだが、
最初の方で誰が台詞を言っているのか理解できなかった。
どっちがどの台詞を喋っているのかわからない。
けっこう厚いし……このまま読んで行っても面白くなるという気はしない。
先日はグレアム・グリーンの何だかって本を諦めた。
「情事の終り」も「喜劇役者」も面白かったから、全く警戒せず読み始めたんだけど、
わたしの嫌いな、なんかザラついたような初期アメリカ文学的な雰囲気を感じて
厚い文庫本を読む労力が惜しくなった。
……しかしこの作品のタイトルを、wikiで一覧を見ても思い出せないというこの恐怖。
アルツハイマーか?と怖くなる。
可能性が一番高いのは「事件の核心」か……と思って見てみたら、
「事件の核心」は2ヶ月くらい前に読んでるじゃないか。
つい最近読んだ本のタイトルすら忘れていた……。コワイ。
「権力と栄光」かなあ。これなら、あまり独自性のないタイトルなので、忘れてもぎりぎり可か……。
アマゾンのレビューでヘミングウェイを思い出させると書いてくれてた人がいたので、
もしかしたらそうかも。
こわいこわい。
コメント