はーっ。憂鬱だなあ……。
今は努力して新しい本に手を伸ばそうとしているけれど、わたしはずっと、本の新規開拓がコワかった。
いや、「本」の新規開拓ではない。初めて読む「小説」が苦手だった。
なぜかというと、……はっきり言って、あまり面白いと思うものに当たらないから。
すごく好みが狭いんだと思う。一応「好きな作家」と言える人は何人かいるけど、
その人たちが書いた作品でも、気に入る確率はせいぜい50%くらいだし。
いわんや、初めて読む作家においておや。
で、「面白くない」と思うだけならたいした被害はないんだけど、
「つまらない」にまでなると、なぜかとてもダメージを受けてしまう。
がっかりする。がっかりする。……そして、怒りを覚える。
ルパン三世に出て来る五右衛門が言う定番の台詞に、
「またつまらぬものを斬ってしまった……」というのがあるが、
わたしの心境はまさにそれ。「またつまらぬものを読んでしまった……」
五右衛門の心がよくわかる。きっと、落胆と怒りと後悔。そんなものを選んで読んでしまった
我と我が身に対する幻滅。あー、落ち込むわー。
たかが小説の一冊や二冊で、そこまでダメージを受ける必要はないとわかっているのだけれど、
こういうのは、頭で何とかなるものではなくてねー。
で、その後しつこく「なぜこれが面白くないのか?」と考え始めるから始末が悪い。
「ほんとに面白くないのか?」「どこが面白くないのか?」
理由を考えて、出てきた答えを吟味して、面白いと思う作品と比較検討して。
しかし所詮は自分の内部だけの自問自答だから、結局最終回答にならないし、
いつまで経っても、考えて考えて考えているだけ。解放されない。
これじゃー消耗しますわ。……われながらアホだなあ。
前々から、多分合わないだろうな、と思いつつ読書リストに入れてた「K」という本を読んでみた。
ライトノベルだし、表紙の絵も個人的にはハズレてる類だし、まずつまらなかろう。
……でも、噂で聞くあらすじはけっこう面白そうなんだよなー。人気もあるようだしー。
こういうので、食わず嫌いせずに当たってみて、面白かったらすごく嬉しい。
が、読後。やっぱりダメ。しかもけっこうダメダメ。
「絵のないマンガ」だった。字でマンガを書いているような作品。
根本的な内容は皆無ではないと思うが、これ、絶対マンガでやった方が面白いよ。
なんで小説にするんだよー(泣)。
本に腹が立ち、読んじゃった自分に腹が立ち、これを面白いと言う人に腹が立ち、
しかし中学生当時、自分が好きで読んでいた本と比べてどうかというと、
大差はないのではないかと思ったり、いやいや、アッチはああでコッチはこうだから、
やっぱりコッチの方がましなはずだと思ったり……。
誰かの冷静な意見を聞いて、出来れば比較検討して、結論を出したいところだけれど、
アッチとコッチ、どちらも読んでいる人なんて知りあいの中にはいそうもなく……
物言わず、腹ふくるる。で、しょーがないのでロバ耳と相成る。
何か我ながらすっごいアワレだ……
今回ダメージが大きいのは、唐突だが「西遊記」のせいでもあると思う。
わたしがドラマをほとんど見ないのは、小説と全く同じ理由。面白いと思えるものがあまりなさそうだし、
つまらないものを見たらダメージを受けそうだから。
だが先週見てしまいましたからねー、フジの「西遊記」。あれからずっと、あの破壊力の
影響から抜け出せず……。あのヒドさはヒドい。ほんとヒドい。
なので、多分いつもより余計、「K」が響いたんですわ。
創作物に対する期待が大きすぎるのかもしれないなあ。
想像力=創造力に夢を持ちすぎているのかも。その自覚はあるのだけれど、
でもやっぱりそこが人間の最良の部分であると思うから、どうしても期待してしまう。
小説にも、ドラマにも、もっともっと期待したいんですよ。ほんとはね。
でもその大きな期待が裏切られているから、腹も立つし、ダメージも受ける。しょーもない話だ。
うーん、少しは気が晴れたかな?
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