緊急特番的に第33回の感想。
……って、いつの話や。わたしはこれを11月8日に見た。2ヶ月半遅れている。
小野但馬が死んでしまった!!
当時は政次ロスで話題になったとのことだったが、わたしがそれを知ったのは、たしか10月あたりの新ドラマの番宣?に
高橋一生が出ていた時のことで、「ええ!?政次死ぬの?」(←10月だよ(^^;))とショックだった。
その情報は聞きたくなかった。
そしてようやく先日33回へたどり着いたと。
まあ高橋一生は良かった。まず女子目線で良かった。
あんなげっそりした顔の輪郭をして、普通イケメンじゃないよなーとと思いながら、小野但馬の造形にはまっていた。
長年、思いを胸に秘めて命をかけて裏側で守るなんて、オトメゴコロを刺激されるじゃないですか。
巷の女性は紅涙をしぼったことであろう。
役者としては。――いや、良かったねえ!
この人、わたしはほとんど見たことがなくて、かろうじて「軍師官兵衛」の軍師役が記憶に残っている。
が、だいぶ地味だったイメージがある。「軍師官兵衛」はたしか最初の5、6回しか見なかったから、
その後だいぶ活躍したのかもしれないが、もう少し出来るんだろうにちょっと勿体ない使い方。とたしか思った。
「耳をすませば」の天沢聖司はがっつり見てるが、何しろあれは若い上に声優で、俳優高橋一生としての参考にはあまりならない。
いや、良かった。目が離せない演技だった。
笑わない役柄なので笑った時のインパクトが強い。だいぶ武器にしとるな。
視線のほんのわずかな動きで物事を表現する。ミリ単位の演技。……まあずっと見てると若干食傷するわけだが(^^;)、
あの細っかい演技はすごいねえ。
今回のこの役柄は、そういう高橋一生の演技をものすごく当てにして作ったということに(結果的に)なりそうだわ。
只の上手い下手ではなく、演技の方向性の話ではあるけれども、やっぱり上手かった。
……参考のために、一度シンプルな役柄をやらせてみたい。あの癖のある演技がどう出るか。
ただ、磔のために牢から引き出される時のシーンはとても細かいところで惜しいと思った。
最初は瞳を映さない方が良かったのにな。伏し目のところから最後横顔でアップ、という流れだったら最高だったのに。
最初ちらっと目を映すので、横顔のインパクトが削がれた感じ。
死ぬ前の3回くらいは、ドラマの話の流れがツラくて……
虎松の偽首を差し出す回なんかは、あまりにも緊張しすぎてその後病んだ。
殺された子供が甥の猪之助だと思っていたので。「伽羅千代萩」かよ!とツッコミながら、すごいツライ。
知らない子供で良かった。先に言ってくれませんか、そういうこと。
しかもちゃんと視聴者に優しく、「先が短い病気の子供を買い取った」っていう設定にするのね。
正直、その設定は説明的でヘタだ。名も知れぬ子供をさらってきてブッスリというのが現実だろう。
しかしそう説明してくれたことでどれだけ救われたか……。
脚本が女性であることがこういうところに活きている。
「案ずるな。――地獄へは俺が行く」うーん。言いたかないけどかっこいい。
わたしはつらいドラマを見ているのがツライ。なので、「嫌われ政次の一生」の回は倍速で見た。
この期に及んでなつとくっつけなくてもさ。山口紗弥加が好演なだけに、こちらも長年の思いがようやく叶って、
幸せそうなのが可哀想で可哀想で。まあここらへんは狙ってやっていることだろうが。
それに対して橋本じゅんが憎らしくて憎らしくて。張り倒してやりたくなった。
お前さえいなければ万々歳だったじゃないか!わたしは幸せな井伊家を見たかったぞ!
しかし家康の造形は阿部サダヲに多くを負っているとはいえ、けっこう面白く作ってますよね。
牢に入れられた直虎の前に家康が現れるというのもハッとする流れだったが、そこで家康に全く語らせずに
平伏だけさせて、しかもお前は虫か!という動きで平伏したままあとずさりで退場。
あそこは緊迫感がありつつユーモラスで、なかなか出来ることではありません。
まあ全体的にいろいろ話としては弱い。史実ではないと知っているが、史実じゃないにしても弱い。
隠し里に何十人も潜めば、さすがにそれは見つかるだろう、とか、
何十人もいるわりには、直虎と虎松が語り合う時には、あるいは小野但馬となつがイチャイチャする時は誰もいない、とか
そういう細かいことも含めてね。
それはもう今回の大河には通底してある弱点だ。
それだからこそファンタスティックに話が展開するという部分もあって、面白いことは面白いけども。
最後、直虎が小野但馬を刺したのは、
――いや、あり得ないやろ!殺生殺生!と突っ込んだけれど、それで多少は救われたかな。
これで救われるっていうのも我ながら不思議な心の動きだと思ったが。
そのまま、直虎が小野但馬の磔を見送るだけだったらトラウマになっていたに違いない。
最後の最後まで、2人の絆が確認出来たというかさ。
まあもちろん辛いシーンだった。
出来れば小野但馬にももっといい目を見せて上げたかった。全然いい目を見てないやないか!
女子目線でいっても高橋一生がカワイソウすぎる!(役柄としては大変お得な役だったと思います)
史実としての小野但馬も敵役だけど、でも甥が後々まで家をまっとうできたのだから、
ドラマと同じようにやはりどこかで通じていた、という可能性もないではない。
そう思わせてくれたのは、ドラマのオテガラ。わたしはあまり恣意的に話を作るな!という立場が基本だが、
この話は、むしろドラマのようであってくれたらいいな……と思った。
でも史実では息子二人も殺されちゃうんだよね。
録画を見るのがまだ全然追いついてない。
これからは高橋一生に代わり、菅田将暉が上り調子の井伊家を景気よく展開してくれるはずなので、
……いやまあ基本的に山あり谷ありだろうけど、もう少し楽に見られそうです。
次の「西郷どん!」が鈴木亮平主役で楽しみにしているのだけど、……そういう意味では西郷隆盛も非業の最期だもんね。
それを考えると鬱だ……
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