相変わらずバカだねえ……。
顔ぶれが豪華で一瞬チェックしたけど、マンガもアニメも見てないので「まあいいか」と思って見ないつもりでいた。
そしたら見た人が、すごく面白かったと言っていて。
「んー、原作マンガ知らんしなー」「でも監督が福田雄一だよ」
……ほ?福田雄一?それなら見てもいいかもと思い、出かけていった。
相変わらずバカだねえ、福田雄一。しかしそれがいい。面白かったです。
お盆のせいか(わたしが普段行く映画よりも)だいぶ人が入っていて、年代層も幅広かった。
あちこちで微妙にタイミングがずれた笑いが起きる。笑いのツボが人によって違うのが如実にわかって面白かった。
わたしもだいぶ笑った。
今、何が一番印象に残ってるかというと、“エリザベスの無言”なんだよなあ……。
なんでかツボにはまった。しかもそのアップが無駄に長いっていうね。オバQネタもだいぶひっぱるし。
今どきの子供はオバQなんて知ってるのか。
驚いたのは勘九郎ですね……。とにかく登場シーンが、……ひどいっていうかインパクトありすぎ。
裸ネタ。福田雄一はそんなに勘九郎を裸にしたいのか。
全編通じて、勘九郎の扱いヒドイ。ちょい役なんだけど美味しいところ持っていってたね。
お父さんもけっこう何でもやる人だった。勘九郎の今回の役柄はヒドイけど、何でもやれる人は好きだ。
菅田将暉はここ2、3年見ている俳優で、気に入ってるんだけど、……今回誰だか分らなかった。
最初出て来た時に、誰だっけこれ、けっこう何度も見ている役者だが……と思ってよくよく見たら菅田将暉。全然普通の人。
さすがに菅田将暉くらいはわかるつもりでいたけれど、あのメガネであの髪形だとオーラがまったくなくてよくワカラナイ。
でも脇が出来る人が好きなので、今回のこういう役も良い。どんどんやってください。
一番役者として美味しいところを持って行ったのは実は安田顕なのではなかろうか。見方が偏ってますか。
この滑舌とこの発声で活きたね。そこらへんはやっぱり技術なので、やれる人がエライ。
この作品の勘所の役柄だと思うので、彼が演じたことで締まった。
求められるユーモラスな部分と、最後のシリアス部分が無理なく同居。
「変態仮面」では主役を上回る変態だったが、今回のこれも変な役でなかなか宜しい。
柳楽優弥も「直虎」以来、ちょっといい感じ。
「ゆとりですがなにか」は最初の2話くらいまでしか見なかった。その時はだいぶむさくなったな~と思ったが、
「直虎」と今回と、だいぶしぼって見た目が良くなりましたね。独特な眼の形が好きだ。
アーモンド型な感じですか。少し南方系が入っている。
まあ今回はそこまでお得な役柄ではなかった。この人のがっつり主役の映画も見たいですね。
早見あかりも気になってるんだよね~。
最初見たのは「ちかえもん」。演技が上手いとも思わなかったのだが……なんか気になる役者。
あの大きな目で訴えかけるように見られると……
今回はあんなパンクっぽい衣装に関わらず、終始シリアスべースで安田顕を支えた。
「スーパーサラリーマン佐江内氏」では、普通のOLの役をやっていたけど、あんまりそういう普通の役はやらないで欲しい。
なんかもったいない。
とはいえ、コメディエンヌが出来ないわけじゃないということがわかって、それはそれで重畳だが。
今後も伸びて欲しいですね。
新井浩文って、顔はよく見るけど名前は覚えてなかった人。オーラがまったくない役者だと思っていた。
多分悪役が多くて、ストーカーなんかやらせたらハマるんだよね~。市井に潜む悪人、というのがぴったり。
しかし今回の役はストーリーの引っ張り役。なかなかいい役者に見えました。
……見てても新井浩文ってわからないわけだが(^^;)。わからなくて、誰だっけこれ、と映画館でもやもやしていた。
唯一、最初から最後まで汚れない岡田将生。
この人の顔で、サラサラストレートヘアが活きましたな。
堂本剛、10年ぶりくらいに見た気がする。この人は独特の雰囲気を持っていて、わたしは好きだね。
今回も独自の雰囲気。ちょっとなよっした線があって、三味線弾きに合っていた。
これを演技をとしてやったのだったらえらいなあ。むしろこの線があったからこそのキャスティングの可能性が高いが。
佐藤二朗とムロツヨシは、まあいつもの。
佐藤二朗はさすがにいつもの丸投げじゃなくて、ちゃんと台本に基づいた演技をしているのでグダグダ度低め。
「フェミニスト。子供好きの」はけっこうツボ。
ムロツヨシは出演時間少な目。でもこの二人があんまり出ちゃうと、それこそ“いつもの”になっちゃうもんね。
橋本環奈なる人は初めて見た。美少女としてもてはやされているらしいが、色々下品な演技を天真爛漫にやっていて好感。
菜々緒なる人はたしかどこかで……ああ!「直虎」の築山殿か!言われてみれば!
吉沢亮なる人は顔の区別がついてない人の一人。
小栗旬と長澤まさみは、なんでかあまり好きじゃない役者なのであった。
でも今回の長澤まさみはなかなか美しかったです。
……そして山田孝之、エリザベスの声って!喋ってましたか、エリザベス!
と、役者を並べただけですごいボリューム。いかに福田雄一、予算が使えるようになってきたのかよくわかる。
しかしわたしの周りでは、「もっとチープだった頃の方が味わいがあったね」ということで一致している。
チープな予算のチープな笑い。それでこそ工夫がある。
そもそも「ヨシヒコ」をやっていた人だから、著作権ギャグはむしろお家芸というべきだろうが、
それをこの予算規模でやってると鼻につくので、そろそろ止めといた方がいい。
「サイ」も見に行くだろうなあ、このままでいくと。期待が膨らむ。
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