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◇ 仁木英之「僕僕先生」

ファンタジー大賞入賞作なので読んでみた。素直に面白かった。

ファンタジー大賞は基本的に作家の登竜門。入賞者で、その後もプロの作家として書いている人は割合的に多い。
しかし逆に言えばそういう賞なので、ぎこちなかったり肩に力が入っていたり、こなれてないのが普通。
でもこの作品は、そういう気負いをあまり感じなかった。
がつがつ書く、という感じじゃなくてゆるゆると書いている。良くも悪くも(そんなに悪くもない)ゆるやか。

系統として「しゃばけ」と似てるかなー。
まあ舞台が中国で、時代設定よくわからないけど数百年くらい昔の話で、仙人とかの話だから、
「しゃばけ」ほどの普遍性はないだろうが。
中国物にありがちな蘊蓄も最小限で、読みやすさは無類。

僕僕先生が少女仙人で(何にでも化けられるので少女が本体かは不明。老人にも中年にもなる。)、
それにくっついていく弟子志願?の青年が主人公。いなされてはくっつく。というのを繰り返しているのが
若干ラノベっぽいが、文章にはラノベっぽさはないのでそういう意味でも読み易い。
僕僕先生も主人公も、嫌味がなくてわたしは好きだな。素直に面白くて、これは続きを読みたくなった。

というのも、ファンタジー大賞にはおそらく珍しく、「僕僕先生」で10巻?続いてるんだよね。
9巻の次が零巻になってるのがよくわからないが。
入賞作をシリーズで書いて行くのは多分珍しいと思う。
それだけ満を持して、という構想なのかもしれない。まあこのゆるさで“満を持して”という表現もあんまりピンとこないけれども。

おっとびっくり。「僕僕先生」が2006年の出版で、それから著作が40冊超出ているようだ。10年で40冊ってけっこう多い。
それはもう“満を持して”でもいいかもなあ。

今後他のも読んでみる。

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