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< 真田十勇士 >

話にウルサイ人は多分ダメだろうけど(わたしだ)、そこを見ないようにすればけっこう楽しめる。

別に冒頭はネタバレに該当しないと思うので言うが、けっこう長い間アニメが続きます。5分?もっと?
そこで設定を全て説明し、それから実写に入る感じ。
歴史ものの説明って、どの程度までやればいいか難しいから、思い切ってアニメにしたのは一つの方法かも。
まあこれは好き嫌いはわかれると思う。何しろ勘九郎を見に行ってダラダラとアニメですから。
それはむしろ覚悟していった方がいいかと。

もうね、話はチープでチープで。
ここは全く期待しない方がいい。全無視で。CGも雑なとこあったり、真田丸の門がちゃちすぎ!とか
(あれ防御力ゼロだろう!)とか、粗は相当にある。
でもまあそこらへんは、予告の段階(と堤幸彦)でとっくに心構えをしている。心構えは必要かも。

でも役者たちは見ててかなり楽しめた。
基本はアクション&コメディな感じだが(そのわりにみんな血だらけで死ぬんだけどさ)、
役者たちの演技が話のチープさを救っている。

やっぱりまずは勘九郎。こないだの「阿弖流為」に続いて、がっつり見たの2作目。
いい役者ですよね。まあこれが恵まれた役柄だとは到底思えないが、でも映画・ドラマの演技の人ではないと思うので、
(映画やドラマでも見てみたいけど)むしろこのくらい体を使った演技の方がいいんだろう。
コメディの軽いノリが勘九郎のお陰で軽いだけじゃなくて、ちゃんと見られるものになっている。
表情アップになっても十分大丈夫。いい顔するわ。

松坂桃李も良かった。わたしはこの人、わりと好きな方なんだけど、今まで見た作品では
(「TAKE FIVE」「ゆとりですがなにか」「図書館戦争」。「麒麟の翼」はフィーチャー前なのでそうでもないが)
松坂桃李が演っている、って方が強かったんだよね。役柄よりは松坂桃李の方が目につく。
しかし今回はそういうことがなかった。まあ根本的に、役者として内面表出の巧みさが、とかいう役柄ではないので、
そのおかげかもしれないけど。でもなんか自然に。かっこええなあ、で見られた。
でもあの人は、一体どうやって飛んでるんでしょうね?

正直ずっと区別がつかないままの人もいたけど、10人もいれば仕方ないか。
高橋光臣as筧十三は贔屓の役者。キャラ設定がオモシロイ。ちょっとキタナイが。
死んだ時泣けたのは青木健as望月六郎。今思い出しても泣ける。メガネっ子。
家康が松平健なのか!ずっと、誰だろう?と考えていてもわからなかった。もう爺さん役者だなあ。

由利鎌之助がびっくりした!声がいいなあ、好きだなあ、この声。ちょっとやられる。と思いながら聞いてて、
役者名:加藤和樹と確認しても全然心当たりがなく、wikiで見たところ、
……インディゴメンバーか!憂夜さんか!全然わからなかった。
インディゴメンバーは基本的に贔屓なので、再会すると嬉しい。こんなにいい声だっけかねえ。
かっこ良かったですよ。

かっこ良かったのは、全然かっこよくない真田幸村。
そもそもこの話、希代の知将と言われる幸村って実は虚像なんですよ、ってところから始まる話で、
のっけから「この整った顔立ちのせいで知将と誤解されてきた。自分の顔がうらめしい」みたいな台詞を吐く。
しかしそういうヘタレな幸村でも魅力的だったのだから、これは役者のお手柄。ヘタレとかっこよさのバランス。

話のチープさにしては、わたしの満足度は低くはなかった。
そもそも期待値がだいぶ低かったせいもある。
あとはかっこいい男優たちを堪能した、というところだろうな。やっぱりかっこよさが見どころ。

だが血糊の量は、わたしの好みからいうとだいぶ多め。あそこまではいらない。
そして、殺陣のシーンね。合計するとけっこう尺が長いんだけど、
それをほとんど映像効果で作っちゃうのはどうかな。
素で映すとさすがに粗が見えるのかもしれないが、少なくとも勘九郎や桃李はかなりがんばってたように見えたし、
全部に効果を使わなくても良かったんじゃないか。
ちゃんとやってるところは少しは素で見せてくれた方が楽しめた気がする。

期待しないで見に行って吉。

コメント

  1. ぴっぴ より:

    Unknown
    松坂桃李を見くびってやしませんか?何をやっても??
    あなたが見たのはゆとりを覗いて、同じタイプの役柄ばかりだし、彼を過少評価してるから、そういう感想しか出てこないんでしょ?

    去年いろんな映画でさまざまな役をやり、いくつもの映画賞にノミネートされ、ローカルとはいえ、大阪シネマファスティバルの助演男優賞も貰ってます。軍人役やオカマ、殺人鬼ご覧になりました??ちょっと失礼です