たしか誰かのお薦めだった。恩田陸かな。
面白かった。面白かったが……後半より前半の方が面白いというのがちょっと。
前半は、何が起こるのか皆目見当がつかず、それがゆえにワクワク感がはんぱなかった。
このワクワク感は貴重。が、半分まで来ると結末が見えて。
この結末が結局、ファンタジー的な着地だもんで今一つすっきりしない。
前半部のように物理的な理由で(金銭的理由とか)キチキチと状況を詰めて行けるのだったら
それはそれは見事だったが。
主人公は“謎の料理人”なんだけどもね。
最初の登場が料理人側の視点だから、刷り込みによって幾許かの親近感を得るんだよね。
町の人も館の人も、その時点でけっして魅力的じゃないしさ。
むしろ主人公の料理人が微妙にいいヤツに見える。あれ、ブラックユーモアと聞いていたはずだが……
少しミスリード。ここが上手かったかな。
ただ前半の戦略はすごく上手かったよね。
凡人には出来ない無軌道ぶり。手を刺す所はやり過ぎで、ファンタジーと思うゆえん。
でもその前の段取り、流れ、人を手足として使うこと……今見ているドラマの「メンタリスト」を思い出した。
もうこの辺はどこでも(ある程度場所を選べば)使える手じゃないかと安易に考えた。
まあはったりは必要だろうけれども。
料理についての具体的な言及は多くない。
しかしほっぺたが落ちそうな料理って、一生に一度くらいは食べてみたいよね。
美味しい料理はいろいろあるけれど、全神経で味わえる衝撃の料理ってのは普通ないでしょ。
![]() 料理人 [ ハリ-・クレッシング ]
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