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< スターウォーズ エピソード7 フォースの覚醒 >

ルーク三部作はあまりちゃんと見たことがない。
たしか小説は読んだので、ストーリーは大雑把にわかる。映画は横目で見たくらい。
テレビで再放送を何度もしてるから、そういう時にちらっと。
思い入れはほぼナイ。

エピソード1はオトナになっていたので映画館で見た。これはとても面白かった。
1を見たので勢いで2とも映画館で見たが、この2作はハズレ認定。
なので、今回もあまり期待せずに。エピソード1並に満を持してとまではいかないだろう。
まあ2と3を超えてくれればいいや。

結論から言えば2、3よりは面白かったですよ。感心まではしないけど、こんなもんだろう的な。
2時間の壮大な説明、因縁話。まあわたしは因縁話はそれほど嫌いではないし、
何しろ前6作の蓄積があるわけだから、そこを描かないとお話になりませんしね。
長いSWファンには楽しめる部分も多かったのではないか。(賛否両論だろうけど)

でも正直、登場人物の関係性が陳腐と言えば陳腐……。
“家族の物語”らしいから仕方ないんだろうけど、ルーク三部作と丸被りなのは……仕方ないんでしょうか。
仕方ないんですよね。そうじゃなければSWじゃないんですよね、きっと。
しかしコレがアレの娘で、アレがコレの息子で、という関係性を見た時に「またか」と思ったことは否めない。
せめてどっちかにしておいて欲しかった。むしろストーリーに新しい血を入れて欲しい。

新しい血という意味ではフィンがその役割を担うのかもしれないけど、
本作では立ち位置がけっこう微妙。今後どの程度の役割を背負うのか未知数。
カイロ・レンとレイだけの話になってもおかしくない気がするし。
ちろっと「あの村の出身者で」とか言っていたので、フィンも何かしらの因縁を背負っている可能性もある。

彼より立ち位置が微妙なのはダメロンですね。日本語としてネーミングが既にダメですけども。
脇役で終わってしまうんでしょうか。それとも主要な脇役として8、9では活躍するんでしょうか。
最初は彼とフィンが主役なのか?と思ったのに、その後終盤まで出て来ませんし、
現在飛行機乗りとしての存在価値しかない。
今後の乞うご期待、なのかもしれんが、それを楽しみに出来るというよりあやふやでモヤモヤする感じ。

あとフォースの扱いが安っぽいね。フォースの鍛錬のために、アナキンはヨーダの元で相当修行の日々を
送ったはずなのに、レイはライト・セーバーを持ったその時からカイロ・レンと互角以上にわたりあえるんだ。
フィンも簡単に扱えるんだ。……あかん。有難味がない。

悪役も小粒感が。まあダース・ベイダーは100年に一度の悪役造型ですからそれにはかなわないとしても、
今回の悪役は数が多すぎてコワさも何もないっすね。
最高指導者も力を見せるわけでもないし、カイロ・レンも、精神的に不安定な今どきの若者ですよね。
ダース・ベイダーはサイボーグになる必然性があったけど、カイロ・レンにはどんな必然性が?
しかも30年も経っているのに、デザインがベイダーのマイナーチェンジでしかない。
それを言うならトルーパーなんか全然変わってないですけどね。

いかんな。まあまあ、といいながらダメだししか出てこない。

えー、全体を通して、息をもつかせぬアクションという意味ではなかなかだったと思います。
……だがわたしはアクションは特に好きじゃないので、早く一息ついて話を落ち着かせて欲しいと思っていたが。

シーンとして、前6作へのオマージュもありましたか?砂漠の追っかけっこはエピソード1で印象的だったシーン。
あと今回の何とかっていうところへの爆撃は、デス・スターへの爆撃とほぼ同じ。
狭い何とか溝を戦闘機で飛んでいくのは、たしかルーク三部作にもありましたよね。
オマージュと思えればオマージュ、焼き直しと言われれば焼き直し。

文句なくいいのは、BB8!そこはむしろR2D2でいいだろう、と最初のうちは思ったのだが、
だんだん見慣れてきて好きになった。
しかしあの型は合理的だろうか。精密機械を常に高速の振動にさらす移動方法だよね。
故障のリスクが増すのではないか。高速移動を念頭において、ホバータイプの方が合理的。
何しろあの本体転がり型だと、犬の糞を踏んだ時(あくまでも一例ですが)、ずっと汚いままなんですよ。
そこが心配だ。

BB8、カワイイ!という気持ちは持ちつつも、「ディズニー、ウォーリーのノウハウを活かせたね」と
斜に見てしまう。まあウォーリー、大変に可愛かったからいいんだけども。

マズの造型が好きだった。ワイズウーマン。賢い祖母の造型。
今後も出てきてくれたりはしないだろうか。アンコールワット風酒場は再建されるのだろうか。
ヨーダが出てこないのなら、その代役を彼女にお願いしたい。

主役の女の子は魅力的です。まあ今後のストーリー展開が吉と出るか凶と出るか。
もうちっと名前に独自性があるといいのではないか。レイなんてどこにでもいる名前だ。
カイロ・レンは、仮面を外すとイケメンの優男でびっくりした。この役はストーリー的にだいぶ不安。
無理のある設定でも説得力があるほど役者の演技力に期待は出来ない気がするし。
フィンとダメロンは今のところフツーの役者さんで可不可なし。

昔のキャストたちは……まあハリソン・フォードはその後もずっと色々出てますからね。
老けた!という衝撃は少ない。
だがやっぱりキャリー・フィッシャーが……。登場シーンは、うわー、老けたーと思った。
実年齢よりもだいぶ老けて見えた。まだ59歳なのに70歳過ぎくらい。ハン・ソロがだいぶ年下に見えた。
役柄としてもそこまでおばあさんを求められてるわけじゃないですよね?

あれから30年。むしろ風格漂うレディ・ジェネラルがあるべき姿であろうのに、
なんであんなにおばあさん然と撮ってしまったんだろう。
もう少しキレイに撮れた筈だろう。衣装もほんとにおばあさんみたいで。衣装。監督。反省するべき。
それでも表情が魅力的だったところは何ヶ所かあった。
マーク・ハミルは最後一瞬出てくるだけだから、まだ何とも。

チュウバッカ役のピーター・メイヒューなる人が、御年71歳でまた着ぐるみ?に入ったとは思わなかった。
着ぐるみだから若手に交代しただろうなと……
この人、ほぼスターウォーズのみの役者みたい。Wikiで病院職員と書いてあってびっくりしたが、
病院のためにチュウバッカの格好をしてアトラクションをしたこともあったみたいだし、
スターウォーズ関連のイベントも世界中を考えればけっこうあるだろう。
半分半分で働いてる感じかな、と想像する。

アンソニー・ダニエルズは出ると思ってた。この場合、“入る”の方が正しいのか?
ケニー・ベイカーは81歳だけど本作に出てたか?R2D2は最後ちょこっと動くだけですけどね。
今の技術だったら、人が入らなくても何とかなりそうだ。

ただねえ……。総じて言うと。

やはり一人の才能のある個人が全精力を傾けて思い入れ強く作った作品と、
その後を受けて、ビジネスとして会社で作った作品とでは、出来上がったものはだいぶ違う気がする。
言うたら、“特別な映画”ではもうない。映画会社が普通に作った、アベレージ的に出来のいい映画。
エピソード1で感じた、アメリカの神話たりうる映画ではもうない。

まあでも次作も楽しみに見ますけどね。願わくば1と2&3の徹を踏まないようにお願いしたい。
むしろ次回はディズニーの組織力に期待。ある程度の質は確保してくれると思うので。

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