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< 世界で一番美しい瞬間 幻想のカーニバル イタリア・べネチア >

まず最初にNHKを思う存分罵らせてくれたまえ!

どーーーーーーしてNHKはこんなサイトしか作らないかね!!!
超ヒドイ!せめて文字情報だけでも、過去の放映番組の情報は載せておくべきだろう!!
最低限、タイトルといつどこに行ったかくらいは!誰が行ったかくらいは!!写真の一枚くらいは!!
NHKはアーカイブの機能をもう少し何とかしろ!!
いやしくも一度世に問うた番組なら、あとで見て何の情報も提供してないなんてどれだけ無責任!!
あれだけ再放送してるのに。再放送を見た後で、内容の詳細を見たくても何もわからないじゃないか!

激怒。

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世に旅行番組は数々あり、みんな大同小異。
この番組のシリーズも、始まった時には一応チェックしたがそこまでの独自性は感じず、
ごくまれに興味を惹かれた場合のみ視聴している。今まで多分5、6回。

NHKは基本、映像がきれいでそこはアドバンテージだけど、
正直、局アナがレポーターをやっているのを見ていると、
――受信料でずいぶんいい思いしてるね?と感じる。
まあ嫉妬ですけれども。そしてタレントを派遣するよりは局アナの方がはるかに金がかからず、
受信料を上手に使っているということなんだろうと頭では考えるんだけども。
スナオな気持ちとしてはそう。

しかし今回再放送で見たヴェネツィア編は感動した。

前にNHKが――たしかNHKだったと思うが――ヴェネツィアのカーニバルの番組を作ったことがある。
それは直球の素直な作りで、カーニバルの幻想性がとても美しかった。名作だと思う。

今回の番組は、それをちょうど裏返したような作り。
つまり、ヴェネツィアのカーニバルが本来そうであるべき地元民のものではなく、
観光客のためのものになっている現状。
……というのをがっつり描くのかと思ったら、ちょっと違った。
本来はそこをテーマにしてロケに行ったのではないかと思うのだが、
取材の過程で“女子刑務所”に行きあたってしまった。その素材がとても良かったので
話のメインをそちらにせざるを得なかった。と推測する。

カーニバル用のドレスを作っている小さい店を訪ねたら、“このドレスはジュデッカ島のとある場所で作っている”
と言われる。その場所を取材に行ったら、そこは実は女子刑務所だった。

単なる一視聴者であるわたしだけれど、実は女子刑務所だったと知らされた時はどうしていいかわからなかった。
どうしていいかというのも変な話だが、もし自分がリポーターの立場だったら――
突然女子刑務所。
まあさすがにリポーターの和久田麻由子アナウンサーに事前に全く知らされないということはないと思うが、
見た感じは彼女もだいぶとまどっているように見えた。

作っている人が普通に職業としてやっているなら問題ない。普通ににこやかに心を開いて取材すればいいだけ。
しかし女子刑務所。取材する当人は服役者。
笑っていいのか真面目な顔をするべきなのか、どの程度の距離感で話をするべきなのか。
それは取材対象に対しても、NHK局アナという立場においても。
わたしがリポートする立場なら瞬間的にその判断は出来ない。多分顔が強張ると思う。

しかし結局和久田アナの素直で人懐っこい、リポーターとして普通の態度が正解だったんだね。
一緒に笑い、一緒に泣き、一緒にドレスを作り――自分の子供のような年頃の女の子に対して、
その服役者も心を開いた。

いろいろ複雑だと思う。本人がよく取材を受けたなというのもそうだし、
周りの服役者もそれに対していろいろ思うところがあるだろうし、
なにしろ紀行番組ですからね。毒にも薬にもならない番組に出演すること。
外の世界からやってきてキャラキャラして帰る――結局そういうことになる。
番組として成立させるのにはいろいろなリスクがあるケースだ。

でも今回は、そういう中での最上の着地。
ドレスを買ってくれる人が出現し、その人が(規模は小さいけど)ドレスコンテストに出て、
「わたしが着ているのは(作り手である)彼女たちの誇りです」などととてもいいコメントをする。

――これをすべてやらせだと思うこともできるが、仮にそうだとしても、
わたしは褒められることが人生において何よりの栄養剤だと思っているから、
そのコンテストの映像を見たことは、彼女たちにとって決して無駄にはならないと思う。
彼女たち自身が例えやらせを疑ったとしても、それでも無駄にはならないと思う。

良かった。というか、良くあって欲しいと祈る。
良きことあれかし。

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そのエピソードの他に、地元民として参加して本来のカーニバルを取り戻そうとがんばるマダムのパートも良かった。
こちらは素直に美しかった。ヴェネツィアのカーニバルと言ったらこれだよね、という正統派な衣装。
まあこういうの見ると、こちらとしては複雑だ。こんな素敵なのなら実際に見てみたいと思う人が多いのは
無理ないし、行ったら参加したいと思うのも無理ないし、しかしあまりお金はかけたくないので、
なんちゃって衣装に走るというのも仕方ない部分がある。
本式の衣装だったら何万円かかかるでしょう。

でもなんちゃって衣装ばっかりになると、ヴェネツィアのカーニバルの価値は下がるだろうし。
かといって観光立国のヴェネツィアであまり参加者の規制を厳しくする方向にも行きにくかろうし。
ジレンマですな。

わたしははるかな昔、イギリスはロチェスターの街で開催されていた時代祭にたまたま行きあい、
ああっ!わたしもレトロドレス着たい!と瞬間的に激しく思ったことがあったのだが、
やっぱりああいう時ってアジア人が飛び入り参加したら艶消しだろうか。
結局かかるお金を考えて単なる見物人で終わったのだが、うーん。

お祭りって全体芸術だからね。
見た目はやはり大事で、アジア人が18世紀風ドレスを来て悦に入っているという状態はやはり迷惑なんだろうな。
残念だけど。
だっておわら風の盆に外国人が大挙して押し寄せて、安っぽい衣装に適当な踊りで参加したら嫌だし。
観光客にも節度をということですな。まあ難しい問題ではある。

……NHKがネット上に情報を残してないのは、そこらへんはウィキペディアとかに任せちゃって、
受信料を有効利用しようとかそういうことなの?
そう言われたとしたらグウの音も出ないが。……いや、でもやっぱり自局の情報は最低限のところは
提供すべきだと思う。

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