「ジェイン・エア」は人生の愛読書の一つ。
……でも20年前に蔵書を他人に貸してそれが戻って来てないので、日本語では20年読んでないなあ。
英語版は持ってるんだけど、わたしの英語力では読んでも楽しめるというほどではない。つーか、眺めてるだけ。
買いなおすべきか。いろいろ訳があるのでどれを買えばいいのかも問題。
ミア・ワシコウスカがジェイン・エアをやるっていうのは「アリス・イン・ワンダーランド」の直後に
ニュースで見て、楽しみなようなそうでもないような……と複雑な気分になったものだが、
一応劇場公開を待ってはいたんです。
そしたら多分、わたしが住んでいるあたりではやらなかったんだね。
ちなみに「アリス」、現在の記憶としてはあんまりいい印象はないんだが、記事では褒めてるな。
こういうことはままあるのだが(その逆も)、評価はどちらを信じるべきか。
今回Huluで見て、そして見終わってから、「ああ、ミア・ワシコウスカ版か!」とようやく気付いた。
彼女は「アリス」の時は突然出てきた彗星のような扱いをされてて、その後ガンガン行きそうな勢いだったのに、
その後それほど出てはいないようだ。
今回のこれも、全体的な感想で言えば薄いなー。
まず話が薄いね。原作に忠実なのはいいけど、あの長い話を忠実に作っていると、
2時間の映画では収まらない。ゆえにエピソードの取捨選択が必要。
しかし今作はエピソードをほぼ削らず、なので時間がないゆえにエピソードが深まらず、
深まらないから説得力が出て来ず、はいはい、そーねーって流すしかない。
わたしは伯母さんちで虐待されていたという部分は全く忘れており、最初から孤児院にいたと思っていた。
愛読書なのに……やっぱり20年読まなきゃ忘れるか。
伯母さんとの対決があっさりなので、伯母さんの意地悪さが書けてない。
むしろ手のかかる姪に困り切っている普通のいい人に見える。
孤児院に行ってからの日常が足りない。ヘレンともう少し仲を深めておくべきだろうし、
ヘレンが死んだ時もほんのちょっとしか時間を割かれない。
全てがそんな感じ。エピソードとして基本漏れなく出てくるけど、全く中身を描けてないというか。
ブランシュ嬢を当て馬にしたあれこれと、バーサの存在が明らかになった時の二人の葛藤なんて、
ここを描かなきゃ仕方のないところであろうのに……
そこでさえも平板に流れていくので、作り手は一体何をやりたかったんだろうと思う。
薄い話のなかの、薄いキャラクター。という感じでしたな、みんな。
唯一、ロチェスターさんがおっさんじゃなかったのが救いかな。
ずっと前、ゲインズブール版のロチェスターはウィリアム・ハートでね。ロチェスターさんが
こんなモミアゲのおっさんではあかんやろう!と思った。ロチェスターさんは年齢的にはおっさんだけど、
境遇・精神的にはただのおっさんじゃいけないんですよね。しかもダンディじゃないと。
ただ今回のロチェスターさんも貴族的なところはなく……武骨な地方領主。
ふと垣間見える貴族性という部分も欲しい。
でもとにかく話が薄いから、人物造型の前に話を何とかして欲しいですよ。
ジェイン・エア、最初に見た映像作品はBBCのテレビドラマだったかな。
なんのかんの言ってそれが一番良かったのかも。
ゲインズブール版もウィリアム・ハートのおっさん感がやだったし、今回のこれは薄く、ミュージカルは……
まあミュージカルは映画やドラマと同等には語れませんけどね。
Huluにて視聴。
(配信状況は随時変更があります)
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