ロシアを舞台にしたフランス映画。コメディ。けっこう面白かった。
共産党による弾圧で職を奪われた指揮者が、ボリショイ管弦楽団になりすまして寄せ集めの楽団を率いてパリに行き、
30年ぶりに見事成功を収めるというストーリー。
話的には無理がありすぎなんだけど、その無茶ぶりが有り得なくて、むしろ笑えてよかった。
こういうストーリーは、やはり音楽部分をどれほど丁寧に描けるかが肝。
この作品は、……でも改めて考えてみれば、それほど丁寧に描いているわけではなかったな?
でも最後のチャイコフスキーのバイオリン協奏曲は長くがっつり弾いていて良かった。
ヴァイオリニスト役の女優さん、あの長いシーンの指使いを覚えるだけでもだいぶ苦労だっただろう。がんばった。
映画冒頭の演奏も、わたしはいいと思ったんだけどなー。あんなにソフトな演奏はあまり聴けないと思ったよ。
バイオリン協奏曲中で、演奏シーンの間に回想シーンを上手くはさんで話が進んでいった。
なかなかいい効果を生んでいたと思った。なんのかんのいって演奏シーンだけだと飽きますからね。
後日譚までやっていたのは笑えた。なりすましてたボリショイ管弦楽団ではなく、
いつの間にか名前も別なちゃんとした名前に変わって、パリを振り出しにロンドンとか東京とかニューヨークとか、
世界中を興行して回る人気者になっていくのとか面白かった。
途中で正規のボリショイ管弦楽団とすれ違うシーンとかあったしね。
主役の指揮者役の人はポーランド人で、見たことのない人。
しかし全体的な雰囲気が、トミー・リー・ジョーンズを少し若くしてソフトにした感じの人で、馴染みを感じた。
ヒロインもどこかで見たことがあると確信しながら見てたんだけど、wikiを参照しても
わたしが見たことがある作品はないようだ。いい女優さんだと思った。
サーシャという役柄の大男がいい味出してた。
味といえばフランス映画は色彩に味があるね。ああいうのはお国柄なのかな。
侘しい、けれども透明感のある色彩。基調は水色。
邦画は邦画で、やはり独自の色彩感覚はあると思うのだけれどあまり感心したことはない気がする。
邦画はちょっとしみったれた夕焼けの色?とは偏見か。
![]() オーケストラ! スペシャル・エディションアレクセイ・グシュコブ(Alexei Guskov)楽天ブックスで詳細を見る |
コメント