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◇ 恩田陸「蛇行する川のほとりで」

この作品は、少女小説とホラーと詩情とミステリがうまく融合したと思う。
うーん。「ネバーランド」と対をなす作品というべきか。あっちは少年の話ですよね。

実は読み終わってから数日経ってしまったので、細かい部分はもう忘れている。
……なので語るべきことが……もうナイ。でも好きだと言える作品だったので記録しておく。

この人はほんとに“藪の中”の話が好きですねえ。
筍、あるいは白菜、あるいはキャベツのように、多方向から一つの物事を描いて見せる。
……ちょっと例えがわかりにくいですか。いろいろな方向が重なりつつという意味で。

これはそれでも、結末がしっかり書かれているからすっきりするよね。
わたしはモヤっと終わる話がキライなので、最後までちゃんと書かれていて安心した。
恩田陸の作品は、総じてわたしはあんまり好きではないんだけど(だが不思議な引力は感じる)
これはバランスが良くて、好きな作品の部類に入る。詩情もね。

しかし、うかうかと読み進めて行ったところ、第一部の終りで唐突にホラーとなり、
「……超こえぇ」と地下鉄の中でつぶやくことになる。
ほんと油断がなりませんよ、恩田陸。

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