ショート。
タミ子さんが圧巻の演技。
やっぱり「ボレロ」、いいですねー。彼女にしか出来ない演技だと思った。
それまで言えるのはなかなかないよ。もう序盤から震えを感じていた。
「ボレロ」自体が大層な名曲で、それを存分に活かしている。素晴らしいです。会心の演技。
……しかしタミ子さんとリプニツカヤが1歳しか違わんなんて、信じられませんね。
並べて見たら、年齢差は多分母と子と言っても信じる人がいるんじゃないか。顔は全然似てませんけど。
!もしかしてタミ子さんは若干、岩下志麻に似てないか。
リプニツカヤは、タミ子さんの「ボレロ」の後で、相当印象薄く始まったんだよ。
やりにくかろうなあ、と思った。タミ子さんの作った世界は強力で、そこから自分に雰囲気を持ってくるのは。
……が、最終盤のスピンになると俄然輝きを放って来て……結局暫定1位をかっさらっていくんだから、
大したものですよ。技術の高さには感嘆する。
が、逆に言えばスピンまではタミ子さんの印象の方が強かった。今季のプログラムは名作とまでは言えない気がする。
まあわたしは去年のフリーの「シンドラーのリスト」がお気に入りだからね。どうしてもあれと比べるとね。
珍しく微笑をしていた。彼女は笑わない子だったじゃないですか。
昨シーズンの世界フィギュアのエキシビションでようやく笑っているところを見た――というのは
事実と反するかもしれないが、そんな気がするほど笑わない子。もっと笑って欲しい。
村上佳菜子が、よし!という出来。ちょっと慎重さを感じた演技ではあったが。
振付が、とても曲に合っている。最後の盛り上げ方とかいいよね。
「オペラ座」でショートとフリーというのは考えたな、と思った。そういうの好きだ。
唯一、滑り始めの時に、ほんのちょっと手首を返すとか腕をちらっと動かすとか、
動きにアクセントをつけて欲しかった気がした。曲調が滑らかだからこそ、そうすると活きる気がする。
あとは、ガブリエル・デールマンなる人。カナダの16歳。
強さと勢いを感じる。16歳でこれなら、今後出てくるのではないか。体力もありそうだし。
ワグナーみたいな肉食系。……というよりも、カナダだけにジョアニー・ロシェットを継ぐ筋肉系かもしれない。
いつものことだが、日本企業の広告ばっかりだなあ。
それでも観客はアメリカ大会、カナダ大会よりは入っているようだ。……日本から行っている観客が多そうだが。
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フリー。
ポリーナ・エドモンズが美しかった。GPシリーズにも出たことない人がいきなりオリンピックと聞いた時は
アメリカの一発選考は、それはそれでどうもなあ、と思ったものだが、今回の演技は良かった。
まだ面白味はないので……今後個性を身に着けられるか。
体型と雰囲気から、カロリーナ・コストナー系統が参考になりそう。時間はかかりそうだが。
ただ、アメリカ女子は浮き沈みが激しいからなあ。いつの間にか、もういない。ということが多い。
李子君。ショートに比べたら出色の出来。後半は疲れたけれども。
でも久々に、笑顔でぽんぽん飛びまくる、こわいものしらずの昔の演技を思い出させた。伸び伸びしていた。
デールマンはショートに同じ。今後出てくる。
村上佳菜子は……曲と振付は素晴らしいので、あとはジャンプがちゃんと決まってくれればというところ。
あえて言うなら、マスカレードのところをもう一つ派手にやって欲しい。
「マスカレード!」あそこの曲調がかっこいいんだからさ。
後半は良かったよ。十分にドラマティックで。
まあ何と言っても今回のフリーは、ショートに引き続きタミ子さんでした。
体キレキレでしたね。プログラムが本人に合ってるわ。ほんとに、彼女にしか出来ない演技。
ショート、フリーと揃えて来て1位は当たり前。問題は今後もこの安定を続けていけるかどうかですな。
14歳?15歳で初めて見た時から、滑りという意味ではすでに高いレベルにあったんだもの。
それでもやっぱり、一発勝負の本番で実力を出して行くのは本当に難しい。
タミ子さんの場合、それが出来れば1位、2位は常時確実。
リプニツカヤは珍しく、ほんとーに珍しく後半集中力を失い……ボロボロな演技であった。
こういうの今までなかったよね。女子の壁が来たかな。
あと付け加えて言うならば、泣き顔がかわええ。……こんな言い方はちょっとナンですか。
タミ子さん贔屓なので、今回のタミ子さんの演技とそれと対峙するリプニツカヤの演技で満足。
この2人と比べると、村上佳菜子は若干水をあけられているか……
「オペラ座」はいいプログラムなので、次までに完成度を上げて欲しい。
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