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< シスターアクト 天使にラブソングを >(舞台視聴)

いや~~~~~、久しぶりの舞台やわぁ。
多分……ヴェネツィアでの「椿姫」以来。3年か4年くらい経ってる。
ほんと観劇や生演奏から遠ざかってる。今後はぼちぼち行くようにしたいです。……安いものを選んで。

「天使にラブソングを」という映画、超有名なわりに、わたしはついこの2、3年で見たので、
わりと記憶に新しい。
今回の舞台は森公美子と瀬奈じゅんのダブルキャスト。ここは地縁的にもウーピー・ゴールドバーク寄りの
キャラクターとしても、モリクミで見たいところではあったが、瀬奈じゅんの回。

最初は、舞台装置とダンスと役者はなかなかだが、作曲が今一つだなー、
やっぱり名作ミュージカルになるには1つでもいいから名曲がないとなー、
なんてちょっと距離を持って見ていたのだが、シスターたちの歌のシーンからは一気に面白くなりましたね!
映画ではたしかみんながロック・ゴスペルを受け入れるまで時間がかかった気がしていたが、
今回の舞台では、みなほぼ最初からノリノリ。
ここで観客もノレるので、早めに持って来て吉かも。
その後も、やはりシスターたちのコーラス部分が良かった。やっぱりここがメインですね。

瀬奈じゅんという人を知らなかったが、あとでパンフレットを買って舞台稽古の写真とか見たら、
普通の可愛い女の子でさー。雰囲気がとてもさっぱり、あっさり。
この人が、あんなに姉御なアフリカンを違和感なくやっていたかと思うと、不思議なくらい。
女は化ける。ちょっと違うか。女優は化ける。

悪役のカーティスもダブルキャストで、大澄堅也。
はるか昔にバラエティ番組をにぎわせていた頃以来ですが、ちゃんとやってました。
舞台稽古の写真で見ると老けたなあと思うが……。まあいいトシですもんね。
稽古だから多分化粧とかしてなかろうし。

エディ・サウザー役の石井一孝という人も知らなかったが、ミュージカル界では有名な人らしい。
今回もけっこう甘い歌声。意外に大きな役どころでした。

意外にという意味では、村井国夫がファンキーな神父を好演。
ちらっちらっと出てきて、修道院長と掛け合いをやり笑わせて帰るというお得な役柄。
懺悔ボックスのところは面白かった。
ギラギラした衣装もノリノリで着ていました。

鳳蘭が修道院長。
鳳蘭って、多分テレビにはほとんど出ない人。映画にも出ず、舞台一筋の人なんですね。
なので、名前はよく知っていたけど実際に見たのは多分初めて。
上手かったと思いますよ。何とも間がいいんですわ。笑いというのは呼吸で決まるところがあるけれども、
その呼吸を読むのはお手のもん、と感じた。

見習い修道女役のラフルアー宮澤エマなる人は、宮澤元首相の孫だそうだ。
パンフレットを見て知ったが……普通にいい声でした。けっこういけるんじゃないでしょうか。
そんなに舞台慣れはしてないんだろうが、今回は役柄として自信のない女の子の役だったので、
それが吉と出ていた。

手下三人組の一人、上口耕平という人の動きがなめらかで目立った。
ダンス畑の人なんですね。

あと、特筆すべきは舞台装置。
気持ちの良い大道具でした。教会の薔薇窓が良かったね。奇をてらってないところに好感を持つ。
その教会を動かさず、場面転換は小部屋やスクリーンを使って上手く行う。
けっこう場面転換は多い方だったのに、まったくそれがうるさくなかった。上手でしたよ。

使い方が良かったのは、トラボルタ?の巨大ポスター。いいアイディアだった。
ひも状のスクリーンも上手く使っていたなー。
個別に感心したことが多々あったと思うのに、今となっては記憶が薄れている……。
忘れっぽいですねー。まあ仕方がないけども。

教会のセットが一番輝いたのが(文字通りの意味で)フィナーレだっていうね……
電飾ぎらぎらのゴシック。ここは遊び心満載。そこまでやらんでもええねん、という笑いどころ。
でも趣味が悪くはなっておらず、いいオマケになっていた。

まあ正直、曲はそんなに……。
すぐにでも歌いたくなるような名曲があったかというと、わたしにはなかった。
あ、指揮者がローマ法王を演じたのは笑った。なかなかの演技力(?)でしたよ。

ミュージカルは歌、演技、ダンスと全てが求められる舞台だからハードルが高いよね。
でも見てる方は一粒で3倍美味しい。見終わった後は幸せだった。
瀬奈じゅんは「今日が初日で千秋楽です!」と言っていたから、仙台公演4回のうち、
彼女が演じるのは1回だけだったんだろう。

いいものを見せてもらいましたよ。楽しかった。

これは実は、グルーポンで安売りをしていたからチケット買っちゃったんだよねー。脊髄反射的に。
だって、12000円が半額で!とか言われたら、つい目がくらんでしまうじゃないですか。
席は2階席の2列目。これの正規料金は……12000円もするかな?という気もしたが、
結果的に、舞台装置を上から見下ろすことになる多少の残念感を除けば、見やすい席で満足。

グル―ポンは最近初めて使ってみたのだが、買い物感が希薄なので危険です。
ついうっかり、あれもこれもになってしまいそう。
観劇の取り扱いは多分珍しいことなんだろうと思いますけどね。
気を付けたいと思います。

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