絵も音楽も細部デザインも非常に良く、わたしが見たディズニーアニメの中で、
「美女と野獣」に次ぐ名作になるかと思われたのだが、
(といってもわたしはそんなにディズニー好きでもないので、見た作品は10作前後かと思う。
昔の名作、例えば「白雪姫」「シンデレラ」などは見ていない)
――いかんせん、話の詰めがアマイ。
ほんと、他は文句ないんだがなー。
子供向けの話だから、あまりウルサイことを言うなということかもしれないけど、
ほんのちょっと工夫したら名作だと感じた気がするので残念無念だ。
設定を大急ぎで説明する必要があったのはわかるが、その部分の粗が目に付いた。
……やっぱり、仮にも王国なんだから、王様自らが窓も閉めて門も閉めて召使に暇をやって(?)、
外部と全く接触しないことを指示するというのはあまりにもオカシイと思うのよ。
アナが(エルサもだが)この年になるまで、ほぼ外部の人と会ったことがないってのはさ……。
したら今更、戴冠式だからっつって門戸を開放しなくてもいいだろう。
訳もわからず閉じ込めて育てられたのに、アナの飛びぬけた明朗闊達さはあり得ないだろう、とか。
その安易な恋愛では全くノレないよ、とか。
妹の幸せに対する姉の嫉妬という話になってしまうんですけど、とか。
ウェーゼルトン公爵の立ち位置がなんかすっきりしませんが、とか。
ハンスとクリストフは、もう少しタイプを変えた方が良かったんとちがいますか、とか。
とどめは刺さずとも、せめてアナのご臨終を確認してから芝居を始めろよハンス、とか。
アナの様子を(死体だとしても)見に行く家来が一人もいないのはどうしたことだ、とか。
女王を反逆罪に問うなんて、ハンスは一体なんの権利があって、とか。
まあまあ、そもそもは子供向けなんでしょうよ。5、6歳くらい。
わたしも最初は全く眼中になかったのだが、映画館の予告で「レットイットゴー」の歌があまりに
素敵だったので見に行ったのであった。
ほんと、歌は良かったなあ。「レットイットゴー」はもちろんのこと、
「雪だるまを作りたい?」も実は泣けてくる出来だった。
歌も曲も、総じて良かった。
キャラクターも良かった。トロールたちはほんのちょっとしか出ないけれど、あのシーンは好きだった。
なんであんたたち、そこまで強引なの。少しは人の話を聞け。
オラフはお約束の、少し手垢がついたキャラクターだったけどやっぱり可愛かったよね。
王国に夏が戻ってきたら、カナシイことになってしまうのではないかと不安だったが……
そういう解決法!?――でもそういう安易さは許せる。
クリストフは歌で(仮想の)トナカイと会話するアブなさ。いいのか、アナ、そんな男で?
いいんですか、そうですか。
もう少し役柄に重みがあっても良かった。でも本作はあまり“王子様”が活躍する話ではないのが売りなの?
デザインも良かったなあ。もうエルサは女王じゃなくて建築家になれ!と思っていた。
絵柄は全て美しかった。すごいツボ。北欧デザインだそうだ。さもありなん。
まあ不満があるとすれば、戴冠式の聖堂があまりにも小さかったこと。
その辺の結婚式場の教会じゃないんだから。
しかしまあ「レットイットゴー」があのシチュエーションで歌われた歌だと知った時は軽く驚いた。
普通、メインテーマですよね?大々的に売り出すのは。
しかしこの歌の主題は作品の主題ではありませんよね。真実の愛でしょ?
それが悪いとは思わないが、多少の違和感はある。「美女と野獣」で「お客様になって」が
一押しされてるようなもんでしょう。
話さえもう少し何とかなれば、DVD即買い!の出来なのだが……。うーん、残念。
そしてパンフレットを買って来るのを忘れてしまった。今回は普段行かない映画館へ行ったので、
今一つパンフレットの存在が目につかなかった。近所の映画館に買いに行こう。
……そう言っていて買いっぱぐれたパンフレットが何冊あることか。
GWは混むから、近づきたくないしなあ。
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