いやー、相変わらず面白いねえ、「タイガー&ドラゴン」!!
……相変わらずも何も、再放送なんだけどさ。それで中身が変わってたらビックリするわ。
これは珍しく、リアルタイムで見たドラマ。わたしがちゃんと見たドラマなんて、
多分両手両足の指を使えば数えられる数なんだけど、その中でこれは第2位。
(ちなみに1位は「王様のレストラン」。)
バカバカしくて、騒々しくて、コッテリでベタでハデで、
何一つ落ち着いたところのないドラマだけど、ほんとに組み合わせがスゴイわ。
かっちり組み上がってて動かない。動かないというほど静的ではないが、これを組みなおすとしたら
相当に困難なことだろう。
だって要素として、小虎パートと竜二パートと、サイドストーリーの落語と、
それだけで3つもあるんですよ!それを毎回バランス良く見せて、他にも絡ませる小さいネタが
うじゃうじゃと……よくもまあ出来るわねえ。
これは劇団座付作家の特殊能力だろう。当て書きによって培われた能力。
おかげで、登場人物がみんないい味出してる!ほんと、無駄な人物が一人もいない!
……弟子の一人で唯一キャラが立ってなかったような人がいたような気がするけど、
ここまで他が立ってると、キャラが立ってないことがキャラ、と言えないこともない。
話の筋的にはごちゃごちゃというか、力技でゴリ押しかなーと感じる部分がないわけではないけれど、
(あと岡田准一が落語の天才というのは苦しいことは苦しいが←いや、でも努力賞もんだとは思う)
ほんと、要素の組み合わせの妙、役者の味を活かしてくれているキャラクター、
こういうものが見られてアリガタイ、というレベル。
これこそ創作物!創作物の醍醐味!!
※※※※※※※※※※※※
翻って考えると、……まあここで言うことでもないけど、「軍師官兵衛」の脚本家は
クドカンの爪の垢でも煎じて飲んで欲しい。
話のタイプが全然違うから単純に見習えとも言えないが、創作というのは単に出来事を
並べているだけじゃ駄目なんだということをわかって欲しい。
全然面白くないですよ。全然人間が描けてない。全然話が薄い。創作物の旨味が全くない。
脚本家、資料読んでんのかね?資料の質と量が全然足りない気がしてしょうがない。
時代劇を書くのと歴史ドラマを書くのとでは、全く別の仕事ってことがわかってるのかなー。
wikiに載ってる資料くらいは読んで書いてくれているのか。
わたしはそこらへんからもう不安。
なんで黒田官兵衛の話で、信長サイドにあんなに話が偏ってるのか。
小寺さんとこのシーンは、常に常に評定の場か囲碁打ちで、もうあの画柄は飽きた。
官兵衛は全然描けてないし、秀吉とおねは痴話げんかだし、そっちを書くよりもっと
官兵衛と光の夫婦の話を書けっつうの!いやそれより前に、官兵衛が知略に優れた人には
どうしても見えないのはどうしたことなのだ!なんか、さすが!ってことやりましたか、彼は。
無理くりな設定でなんとかでっち上げた若き日の恋物語も、今となっては全く官兵衛の人格形成に
影響を与えたとは思えない。
一代記を書く場合、AがあってBがあり、BがあったからCがあって、結果としてDになる、
という部分が大事だというのに、今回の脚本は単に出来事の羅列だから、
AがあってBがあってCがあってDがある、だから何?というレベル。
ああ、もどかしいなあ。
目下一番キャラクターとしてちゃんと書けてるのが鶴太郎ってどういうことやねん!
もっと官兵衛を書け、官兵衛を!下手すると秀吉より薄いわ!
今はながら見だが、ながら見でもだいぶツラくなってきているので、
あと3回程度でリタイヤじゃないかと予想している。
コメント