アメリカ文学最短コース遍歴中。
読み始めは、何も説明しないまま話が始まってしまうので、「うわ、粗雑」と思っていた。
ホークアイって何者やねん。白人とインディアンの関係も説明なし。
こういう勇み足的な小説を……と思っていたが、中盤以降、このドキュメンタリーに近い
淡白な語りが、むしろいいと思えるようになってきた。
5部作の中の2番目の発表作なんですってね。
インディアンのどれだけを語れているのか、わたしには判断基準が何もないが、
インディアンの話法の片鱗は窺えて面白かったし、インディアンも白人も、同じくらいの距離から
書いている。どちらに偏っているということもない。良い距離感。
話としては、単純と言えば単純なんだろうな。西部劇的に。
いや、西部劇的に単純ならば、白人は白人で善玉、インディアンはインディアンで悪玉ということなのか?
この話はそういうわけではなく、インディアン社会にも色々いざこざがあり、
嫌なヤツは嫌なヤツだし、善いヤツが死ぬこともあるし、部族は滅びることもある。
白人は情けないこともあるけど良いヤツもいる。
というような話でした。
そもそもタイトルがタイトルなので、最後のモヒカン族が死ぬ話なんだよね。
モヒカン族の若者が清々しいのが哀しい。
少し白人側に寄り過ぎた造型にはなってしまっていたとは思うけど。
……というか、映画の方をwikiで見ると、全く違う話になっているんですけど?
コーラとホークアイは別にくっつかないよね?アリスはそもそもヘイワードと問題なくくっつきそうだし、
アンカスはコーラとむしろ同時期に死んだことで、死後にくっつく流れになってるが?
ここまで関係性を原作から破壊する必要はあったのか。
まあ原作そのままで作ったら、映画としては相当に地味ですけどね。
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