戦争文学はほぼ読まないが……。
立花隆の“昭和の平家物語”という惹句(?)に反応して読んでみた。
正直、こういう類の作品に対しての感想は苦手だ。
わたしは感情の部分は語りたくない方で、その上、恐いものは出来るだけ避けて通りたいと……
なので、具体的に内容に言及したくない。
この作品は小説ではなく、まさに現場レポートというべきもので。
その迫力は無類だ。感受性豊かな若者、頭も良い、彼が見た戦争の最前線は、
――ひたすらに凄惨であった。
凄惨なだけなら、ヤワなわたしは読み通せなかったであろう。
凄惨な現場を表現する文章が、――ただ“良い”と言ってしまうとそれだけのことになってしまうが、
文章が清冽である。
清冽な文章で書かれた戦争の最前線の現場レポート。
やはりこれは、読んだからには“こういう作品がある”ということを記しておきたい。
内容についてわたしは語りたいとは思わないが、その存在は言挙げしたい。
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