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< ゲゲゲの女房 >(テレビ視聴・再放送)

何を今更、とお思いでしょうが。
本放送では最後の20回か30回くらいしか見られなかった「ゲゲゲの女房」、
再放送でようやく見ました。見終わりました。

朝ドラは基本、キライなんですよね。
今の流れはどうかわからないけど、辛気臭いマジメな話が多かったじゃないですか。
わたしはオバカなドラマが好きで、マジメなドラマは見ないんです。
なので、何十年も続いた朝ドラで、見たのは数年前の「芋たこなんきん」と「ゲゲゲの女房」だけ。
コメディ風味じゃないと食指が動かない。
(しかし「芋たこなんきん」は最後の20話くらい飽きて見られなかった)

やっぱり貧乏暮しから花開くまで、という部分がカタルシスがあっていいですね。
しかし実際にああいう人生をやってきたというのもすごいなあ。
40歳過ぎて、マンガにあそこまでまっすぐ向き合えるというのは、普通人には無理です。
どうしたって迷いが出るし、ましてや女房子供を抱えたら、安全策を取りたくなるでしょう。
本物は違う。……しかし本物を作るのは、実は多分に思い込みではないのか。

たしかに才能の有無という部分は――あるよね。
でも才能のあるなしは、ある程度のレベルまで自分を突き詰められなかった人の言い訳なのではないか、
という気もする。才能がない、と言ってしまえば、それ以上努力をしない理由になるからね。

必要なのは思い込める才能か。自分にはこれしかない、という。
しかしそれもまた才能だろうな。

向井理、松下奈緒はこれでだいぶハバを効かせるようになりましたな。
だが役者としては、今後どう転ぶかなーといったところか。
わたしはどちらも好きですが、これからどんどん役柄を広げて、面白い役者になっていくかというと……
ちょっと心もとない。安全パイみたいな役だけやってると味が出てこないからねー。

今回の役者さんで一番感心したのは竹下景子かな。
いつも似たような役柄をやっている気がしていた。良妻賢母型。
でも今回の破天荒なお母さんを、……普段の竹下景子を知っているわけではないけれど、
素から離れたところで堂々とやってましたなー。お見それしました、と思った。
ご両親連の役者は、それぞれにほんとに味があったわ。いい役者たちですねえ。

味があると言えば方言も味があった。
「ちょっこし」「だんだん」はお気に入り。「だらず!」もいかにもだらずな感じが出ていて……
ボキャブラリーに加えたいくらいなんだけど、余所者が方言を使うのはしっくり来ないんだろうな。

まあまあ、なかなか面白いドラマでしたよ。
……と、連ドラ150回超を総じて言うとそれだけのことになってしまうので、
ついさっき見た最終回近辺の個別内容について重箱の隅をつつく疑問を1点。

水木プロダクション20周年パーティで、布美枝さんが嫁入り道具の着物を着るけど、
……いや。使い方としてはとても感動的だと思うよ。
まさにここ!という使いどころだと思う。着物を持たされた経緯も胸を打つものだったし、
途中で質入れのエピソードもあり、サンゴ玉のかんざしもあるしね。

だがしかし!着物をそういう風に使うというのに、一体どーしてあんなド派手なピンク!?
お母さんの手縫い感を出すために、あえて野暮ったい色合いを選んだ可能性はあるけど、
あのピンクを50過ぎたお母さんが着るのは無理があるだろう!
松下奈緒は実年齢が当時20代半ばだからかろうじて着られたけど。
実際50過ぎの人が着られる色と違う!まあ個別状況で似あう場合もあろうが、
何で最初からもう少し着物として綺麗な色にせんかね?
あのピンクじゃ安っぽすぎるだろう。

嫁入り当時、布美枝さんは30歳くらいなんだしさ。
実世界で考えて、あの色はなかろう。若草色とか、明るい藤色とか、薄目のひよこ色とか、
お母さんが仕立てるのなら、その後も着回しがきく着物を作るんじゃないか?
晩婚の娘に華やぎを、と思ったのなら、せめてもっと淡いピンクなら上品なのに。
あんなピンクでは襦袢かと思うわ。

あと、これは完全に好みの部分だが、パーティの時の娘たちの服装はどうかと思うー。
主催者側だから派手にしすぎるのもなんだけど、若いムスメがそれなりのパーティで
あんまり地味だとむしろ失礼。あんなにリクルートファッションにしなくてもさあ。
まあ、茂のシルクハット?はお遊びでいいとしても。

ううーむ。やっぱりツッコミを入れている方が楽しいわ。

面白いドラマでした。

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