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< もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう >

放送ではそろそろ終わりが見えて来た辺りから見始めて、
週に2回くらい見て1ヶ月弱で見終わった。
まあまとめて見られたのが良かったと思う。続けて見たい回もあったし。

全体的にはあんまり評判は良くなかったようですね。
でもわたしはけっこう面白かった。三谷作品は基本的に舞台的な文脈で進むから、
正直、ドラマになるとちょっと無理が出てくる場面が多いんだよね。

そして三谷幸喜の最大の弱点は10回前後のドラマだと、終盤と締めがヨワイ。
締めはなんとかなることもあるが、終盤、なんだか変な話になることが多い。
……と、連続ドラマは「王様のレストラン」と本作しかまるまる見たことがない
わたしが言うのは完全に間違ってるが、多分その傾向はあると思う。

2時間スペシャルとかはまとまると思うんだよね。舞台と同じ時間配分だから。
だが10回ドラマはその4倍くらいだから、よほど言いたいこと――というか、
エピソードがないとちょうどよく終わらない。
で、舞台はそんなに自由にエピソードを追加する余裕がない(必要がない)から、
縮については苦労した経験がたくさんあるだろうけど、伸についてはヘタなんじゃないかと。

今回最後とラス2、急にクベが嫌なというか、倫理に反する奴になっちゃったのが
疑問だった。成功に伴い、だんだんいい気になって調子にのってしまった
というのならあったかもと思うが、困ったあげく――というより謎な豹変。

あれは正直にみんなに事情を話して50万金庫から借りていれば、
何の問題もなく乗り越えられた話だと思うんだけど。
子どもの絵の件もそうだよね。全然必然性がないと思った。
ここで無理があると思って冷めた層は一定数いるんじゃないかな。

あと最後は「みんなで集まって趣味で練習をしています、めでたしめでたし」では
終わらないじゃないかと思いますけどねえ……
しかも遠くへ行った神主親子まで来ているのに、当のクベには声もかけられない。
みんながクベを憎んでるならアリだけど、「みんな喜びますよ」とはならない。

やっぱり遅筆の三谷幸喜が追い詰められて無理のある締めにしてしまった、
と感じました。

でもそれまでは(それも含めて)楽しめたけどね。
こういう極彩色のセットは三谷の好みではない気がするけど、今回彼は脚本。
まあそれもアリでしょう。

相変わらず役者は活かせていて、今ぱっと思いつくのはアンミカと誰だかの漫才コンビ。
菅田将暉のしつこい演技も舞台っぽくて良かった。
市原隼人は筋肉も含めてかっこ良かった。彼はここのところ、アクセント的な役柄で魅力的。

野間口徹が徹頭徹尾地味~にかっこいい役で驚いた。ぶれない職人。
坂東弥十郎は相変わらずカワイゲ満載ですねえ。
井上順をドラマでまた見ることがあるとは思わなかった。それをいえば堺正章も。
シルビア・グラブも菊地凛子もこってりで良かったですねー。

二階堂ふみは、演技としては良かったけど、前述の脚本的な転回がちょっと
納得出来ない部分があるのでいまいち。納得出来ないというより、
多分あまりにもテンプレな役柄すぎて面白くなかったのかもね。

浜辺美波の役柄は大事なんだけど、なーんか不満を感じる。
ここまでの役なら、もっと厚みのある役者がやったらもっと面白かったかも。
伊藤サイリとか。
そういえば、黒崎側にいた助演?の子、富田望生というらしいが
ちょっと目にとまった。もう少し活躍させそうな気配があったがね。

トロはむりくり入れた役と感じたなあ。これは不要に思う。
まあでも、あのシーンの菅田の演技はなかなかすごい表情だった。
黒崎の劇団がもう少し比重が重くても面白かったと思うんだけどねー。

ともあれ、事前の不評を覆す面白さだった。まあ終わりよければすべて良しの
逆をいった感もあるが。ただし明確に文句を言いたいところがもう一つあって、
タイトルがあまりにも言いにくすぎるだろう……。
目で見て認識出来ても、口ではいいにくい。略称もこれというものが決まらない感じ。

三谷幸喜のドラマは好きだが、やっぱり3~4時間までのドラマがいいのかもねえ。

 

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