うーん。やはりわからん。
まあわたしは文学畑では全くない。近代文学で好きといえるのは夏目漱石くらいかねえ。
ちらちら読んで来た人もいるけれども、どれを読んだのか、そもそも読んだのか、
覚えていない人もまた多い。鴎外は短編も含めてせいぜい10作くらいだろう。
あ、こないだ読んだのは別として。
「別冊太陽」は通常、概要はだいたいつかめるので便利なのだが。
でも今回の森鴎外はつかめた気がしない。
鴎外は誰にも見せない顔を持っていたと思うのよ。
作品で自分を開示しないタイプの作家。そこが飽き足らない。
鴎外は親孝行な人。家族中に期待され、親からも一目置かれた人。
「宝子」と言われていたとどこかで読んだ記憶がある。
子どもを溺愛した人。忙しい公的生活、文筆生活のなかでそこまで時間を割けるのか、
と思うくらいに子供によく付き合った。……そのせいで子供たちはおしなべて
ファザコンになったわけだが。
与謝野鉄幹が評した「良夫賢父孝子」がズバリ。
この人は内面のカオスはなかったんかねえ。
文学なんて内面のもやもやがなければ生まれてこないもんだと思うんだけど。
随筆を読めば少しは愚痴とか書いてあるんだろうか。
自分を律しすぎなんじゃないだろうか。怖ろしいほどに律したんだろうか。
文字にさえもしないほど?公になったもの以外に何か書いていたものはあるんだろうか。
鴎外の写真はいつも寂しそうに見える。
本当に幸せだったことはあったんだろうか。
喜怒哀楽を押さえつけて生きたイメージしか湧かない。
何を見て生きていた人なんだろうか。

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