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◇ 梅渓昇「高杉晋作」

安定と信頼の人物叢書。――と、長年言い続けてきたのだが、まあ中にはハズレがあります。
端的にいえばこれはハズレでした。一体何がハズレなのか。

細かすぎるのだ!!

著者に誠実さは感じるけれども、誠実であればわかりにくくていいかというと
そんなことはなく。人物叢書は初心者向けの内容であるべきなので、
もう少しわかりやすくまとめたものをお願いしたい。

基本的には書き方が事実の羅列なんですよね。
なので、年月日と人名と出来事がざーっと並ぶ。それも聞いたこともない人名が並ぶ。
ソフトカバー300ページの本で、1ページに少なくとものべ2人、多ければ5人くらいの
人名が出てくると、人名だけでざっと1000人くらいこなさなければならない。
これはちょっと大変で……退屈でした。

最後の10ページ弱を「高杉晋作の人物像」という章立てしてまとめてはいるのだが、
それを本文で読みたかったのよね……。
10ページでまとめられても全然説得力がないのよね……。
なので高杉晋作の人物像について増えた知識は、
「若い頃は意外に親のいうことをきいていたんだなあ」ということ。
破天荒なイメージだったから、親に言われて思いとどまったことが再三あったのが意外。

そして明治維新前後の人物は下級武士が多いイメージで、その中で高杉晋作は
大身の武士だったという記憶だったんだけど、そこまでではないのね。中級武士くらい。
お父さんと本人と、藩主と世子の近侍を務めていて、身分はそれほどではないものの
影響力は比較的強かったようだ。

あと高杉晋作の意識は幕藩体制の外には出ず、藩解体などは全く考えてなかったらしい。
それが悪いとは全く思わない。藩は今でいえば≒国だから、
現代の人間が日本が無くなることを前提に動かないのと似たようなものだと思う。

晋作はわりとあちこち手を出しすぎてどれも完成出来なかった印象も持った。
これは事実の羅列のせいなのか。それとも実際そうだったのか。

なんで藩主に厚く遇されたのかわからないんだよなあ……。
そこら辺をわかるようになると思って読んだ本なんだけど。
まあ、他にももう1冊読んでみますよ。何しろ高杉晋作の事績がわからないんだから。

 

高杉晋作を軸にして、知っているようで実は全然知らない「長州藩の明治維新」が
わかるようになりたいという考えもあったのだが、まー長州藩の明治維新もめんどくさい。
有名無名、身分の高下、保守革新、入り乱れてごちゃごちゃしている。
長州藩は明治維新の中心というよりは縮図というべきにやあらむ。

 

 

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