北斎、広重は小さいながらも個人美術館でまとめて観たことがある気がするし、
写楽もたしか大英博物館の日本コーナーでちょこっとは……
北斎、広重、写楽の次はやっぱり国芳じゃないですか。まとめて観たいなと思ってたのよ。
でも上記三者と比べてやはり国芳は少し知名度が低く、特別展にはなかなかならない。
そしたらいいタイミングで国芳展!やったあ!
ウキウキで見に行く。
そしたら想像よりも内容が良くて面白かったなあ。こんなに集めてくれるとは思わなかった。
まとめて観て初めてわかる。数枚だけでは国芳のすごさはわからなかったろう。
何がすごいって、そのアイディアの豊富さですね。
発想がすごい。一枚二枚のアイディアじゃなくて全体的にアイディアがつまっている感じ。
これだけ発想をたくさん出せるのはすごい。前から面白い発想の浮世絵とは思ったが、
この数が揃うとただ面白いだけではないね。壮観。
また描線が細かいね。歌麿の美人画……浮世絵の四番手は歌麿ですね。三番手くらいかな。
歌麿の美人画なんかはその髪の毛の細密さがよく言われることだけれども、
国芳も相当に細かい。
こんなに細かく描いて、北斎や広重より画料が少なかったら割に合わないと思うよ。
意外に国芳も美人画を描いてるんですね。美人画は抜きんでて素晴らしいとは思わなかったが、
思ったよりもいけている。だが顔は面白いほどワンパターンで、
(歌麿の「寛政三美人」も全然個性が出た顔だとは思わないが)
一つのタイプの女性しか描けなかった(描かなかった?)人だと思った。
うりざね顔に長い鼻。初恋の人かな、という妄想をした。
色彩感覚もいい。もちろん浮世絵は色も命だけれど、今まで国芳で色を思ったことは
なかった。今回たくさん見て、色がいいなあと思った。
そうそう、着物の柄にもすごく凝ってるのよね。本人だいぶこだわりがあったと思う。
それが描写の細かさにも繋がる。書き込みがすごい。
マンガの基だよなあ。
「鳥獣人物戯画」「北斎漫画」についてよく言われることだけれども、
国芳も間違いなくマンガの源流にいる人だと思った。
「義経」や「水滸伝」なんか、ノリは「ワンピース」「呪術廻戦」ではないですか。
画業が長い人だが、1845年前後数年がピークかと感じた。一番絵が生き生きしている。
その前も後も衰えるわけではないけれども。生涯にわたって安定していた人なのか。
今回の展覧会に粒よりを揃えてくれたということかもしれない。
いいもんを見せてもらいました。何しろ数が揃っていた。
物が浮世絵だから、前期後期に分けて一度に見られたのはその半分強だろうが、
なにしろ全部で400枚ですから。200枚以上いいものを見せてくれた。
今後なかなか無さそうなエキシビで、今回見られて大変に嬉しかった。
ありがとう、山口県立美術館。

コメント