山尾悠子はわたしにとって特別な作家。
まあ何しろ、最初は単なる「古田敦也のアンサーブログ」だった当ブログに、
読書感想ブログの要素を付け足させた張本人。
その後、そこに映画も加わり、イーグルス、89ers、エキシビ関連……
20年続けているブログになっているわけですから。
しかし本作は面白くなかった。
多分わたし、この本前に読んでるのよね。
でもブログに残してない。ということは読んでも感銘を受けなかったということだ。
武士の情けで触れなかったのかも。
今回もスルーしようと思ったが、X年後に3度目を読む羽目にならないように残しておく。
わたしにはわからないよ、この話。
山尾悠子の、夜見る夢のような取り留めなさは健在だが、それだけのように思える。
わたしが凄いと思うのは「山尾悠子作品集成」だった。
西洋的世界の方が、この人は魅力的じゃないかと思う。
あれを薔薇色と葡萄酒色のシンフォニーとするなら、
近過去日本が舞台の本作は日の名残りの侘しさしかなく。
西洋骨董品店のきらぎらしさに対する廃屋の侘しさ。魅力を感じない。
廃屋には廃屋の美しさが――時にはあったりするのかもしれないが、
それをいい感じの光の中で見るのならまだしも、物の形がようやく見えるか見えないかの
薄暗がりで見ると、単にテンションが下がるものにしかならない。ホラー嫌いだし。
というわけで、時間をかけて何とか読み終わりました。
内容もねー。入ってこないよねー。
タイトルが「飛ぶ孔雀」だから、もっとゴージャスなものを想像していた。
豪奢な話を読みたいですよ、山尾悠子ならば。
次は「迷宮遊覧飛行」。これこそ期待するよ。タイトル的に。
この人寡作だから、十年でせいぜい1、2作なんだよねー。
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