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◇ ケイト・チャールズ「災いを秘めた酒」

久々に好みの海外ミステリを読んだわー。
創元推理文庫のピンクの背表紙。これはコージー系が多い。

でもコージーコージーしてないコージーでした。
解説でコージーと書いてなければそうは思わなかったかもしれないな。
ただでさえ翻訳物はゴツくなりがちなものだから、このくらい人物描写に
割いてくれると読みやすいよね。

しかしコージーといって一般的に思うほのぼの系というわけではない。
むしろうっすら後味悪い系かもね。
解決部分も納得出来るかというと微妙だしなあ。

登場人物の多数はけっこう自分勝手だよね。
主人公のデイヴィッドも、呼びつけておいて自分は何もしないガブリエルも、
ルーシーは自分勝手というわけじゃないけどどっちつかずで
(だからこそ現実味があるけど)
まあエミリーがすごくいい人であるのが救い。

でもダフニが憐れでなあ……。
作者はちゃんとダフニの面倒を見て欲しいよ。完全に突き放してるもんね。

と、文句が多くなってしまったが、道具立て(イギリス、教会建築、イギリスの
コミュニティ)も好きだったから楽しく読んだ。

でも著者はアメリカ人なんだってね。それを読んでがっかりしたけど、
元々イギリスびいきでアメリカからイギリスに移住し、暮らしているうちに
身近な舞台設定で小説を書いてみた、とあったのでいいとしよう。
この著者はあと2冊図書館にあるので楽しみに読んでみる。
多分続編ではないんだろうけど。

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