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◇ ダニイル・ハルムス「ヌイピルシテェート」

シュールな作風、と戦々恐々としながら読んでみた「ハルムスの小さな船」が、
挿絵と相まってけっこう読みやすく面白かったので、次の一作も読んでみた。
今回のこの本は挿絵なし。挿絵欲しかったなー。数ページに1枚でいいから。

装丁は鮮やかな黄色と紫のストライプを基にした幾何学的なデザイン。
前の本よりは手間はかかってない気がするけど、これはこれでお菓子の
パッケージのように見える。
前回と比べてもう少しシュール度は進んで、少し読みにくかったかな。

前回は超短編が多かったけど、この本は超短編もありつつ、長めの短編も
いくつかあったんだよね。シュールで長いと少々読むのが苦労した。
まあ何編かだけだったからそれほど苦労の分量は多くなかったけど。

ちなみに書いてある内容については、残るものは何にもない。
シュールというのは出会った瞬間のインパクトだけの出来事であって、
あとに残るものはまったくないというのは言い過ぎだろうか。
昨今読めない名前が流通しているが、読み方を言われてもすぐに忘れ、
なんだか変な読み方をする名前だったとしか記憶に残らないように。

ともあれ、ハルムスに関してはシュールにしては可愛いという面もあったので、
残り2冊、これは児童書らしいんだけど、それも読んでみることにする。
児童向けのシュールとなるとどうなるのか。シュールにはならないのか。
どうだろう。可愛いのを期待しているんだけど。

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