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< コントがはじまる >

面白いドラマでした。満足度☆5ですね。
近々に「俺の家の話」、あれも☆5の作品だからアレだが、
5年に1作の出来のドラマだったと思う。

まー有名な役者を集めた。そして若者の群像劇。
まあわたしが見るドラマではないだろうな。1話か2話で挫折だろう。
そう思いつつ一応見たところ、引き込まれましたねえ。

話として昔っぽい作りなのかなと思う。
かなりペースを落として、一人一人をじっくり見せる。
それぞれのキャラクターの心情を等分に丁寧に描く。
ストーリーもキャラクター造型も、目新しさはなかったかもしれないが、
描き方に好感が持てた。

コントも面白かったしね。コントというより不条理劇っぽくて。
1話ごとに作るの、これはこれで面倒だったろうなあ。
しかもドラマのストーリーとリンクさせて。
こういう丁寧な仕事が好きだ。

まあとにかく役者たちが良かったね。こんなに大勢を活かせるとは思わなかった。

仲野太賀がいい。近年イチオシですな。
わたしは主役では見たことないんだけど、
ウルサイ人も繊細な人も、乱暴な人も、明るい人も暗い人もなんでも出来そう。
ナツミにコンプレックスを持って破局しそうになるのも、そうだろうなあと思わせる。
お父さんとの対面は泣けたよ。

神木隆之介は子役時代から注目していたのだが……近年停滞していると感じている。
「神木隆之介」しか出来ない役者になっちゃったかなあと。
まともに見たのは「屍人荘の殺人」だけなんですけどね。

しかしこのドラマは神木隆之介でいけたドラマなので、すごく良かった。
他の2人の暑っ苦しさを中和していたし。コント上の女装が違和感なかったのも大きい。
役割を果たしてました。

菅田将暉は上手いと思うし、これもいい役ではあったが、儲け役ではなかったかも。
一番中心ではあるが、それだけに振り幅が小さかった。中心点にいる難しさ。
良かったけれども。この振り幅でいけたのは本人の芝居の力だろうし。

有村架純。ドラマは今回が初めてで、映画で「関ヶ原」を見たくらい。
「関ヶ原」では、いうてはなんだが、女性役が必要だったので出てきた程度の
役柄に見えたので、そんなに印象に残らなかった。名前はよく聞くのですが。

そしたら、この役は絶妙なウザさで良かったですねえ。
きれいな人だが、そのきれいな顔を全く活かさない話で潔い。
演じたのを見た、という感じ。

そしてわたしが近年、伊藤沙莉と並んで推している古川琴音。
(といいつつ、最近までイトウサリだと思っていた)
この人も癖のある役を上手に演じます。今回の口調のウザさも絶妙。
これから年齢を重ねて、いろんな役をやれる曲者の役者になってくれるだろうと
心からエールを送る。

中村倫也が久々に好きな役をやってくれて重畳。
ここんとこ、単なるラブコメの主役をやりすぎたんや!この人は曲者でこそ
光る役者だと思うのに。
まあこのドラマでも、そこまで曲者じゃなかったけど、マクベスに対する思いとか
思い屈するところも描かれていたので良かった。
そういうの、あるよね、といいたくなった。
なんだったら有村架純とくっついてくれても良かったが。うそうそ。蛇足ですな。

芳根京子の役は良かった。すごく良かった。
役者としてはそこまで印象には残らなかったのだが。
でもお風呂から出て来るところはすごく笑った。
はー、「コタキ兄弟と四苦八苦」のさっちゃんか!なるほどねー!
あのドラマは好きだったなあ。

ナツミの元カレ、浅香航大か。気づかなかったなー。久々だー。

出て来る役をみんな丁寧に描いていたよね。
伊武雅刀の焼き鳥屋も、
スナックの店長も、
ファミレスの店長も、
潤平のお姉ちゃんも、
みんな好きになれた。

特にファミレスの店長はいい役で、あの店長の話は大好きだった。
なくてもいいのに、わざわざ小ネタ作るんだもんね。この細かさが好きだ。
――しかも最後にカルロスまで回収するかい!ここが一番笑ったよ。

脚本の金子茂樹という人は「もみ消して冬」しか見たことなくて、
あれは好きなドラマだったけど、well madeな気はしなかった。
今回のこれはwell made。今後もコメディ色強めのドラマをお願いしたい。

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