残念ながら全然面白くなかった……
わたしはシンプルな話でも作りようによって十分に面白くなると思っているし
ファンタジーも好きだ。
甘々なラブストーリーはジャンルとしては好きとはいえないが、
「高台家の人々」はすごく楽しめた。
が、今回のこれはあかん。
シンプルに可愛い話で十分だったのに、なんでこんな風にした?
台詞とシーンの適当さ。ひどすぎた。
単にそれっぽいことを並べた感じ。
将来AIが脚本を書くとしたらこういう風になるのかもしれない。
常にどこかで見たような台詞を言われているようで、適当感がありあり。
前後の台詞が響き合っている気が全くしない。
テンポも悪かったですねえ。シークエンスが無駄に長すぎる。
せめて3分の1切り詰めて欲しかった。
ヒロイン役の造型も嫌だったんだよね。
全て綾瀬はるかに丸投げしていませんか?
綾瀬はるかが可愛いからって、それだけで役自体が可愛くなるわけじゃないんですよ?
口調も行動も乱暴すぎて受け付けなかった。
すぐ殴るということに理由付けをしているけれども、
それでも警官をいきなりビール瓶でなぐる理由にはならんだろう。
昔懐かしい映画へのオマージュとしたつもりかもしれないが、
そういうことは話をしっかり作ってから、その上でやれといいたい。
どこかで見たような映画の断片だけで作っても面白くなるわけないんだよ。
三獣士があんな風に笛をくれたのなら、
笛を吹かせて三獣士が登場しないなんて作劇上ありえなくない?
突然ポーと吹くだけ。なにも起こらない。笛なんか出す意味なかったよね。
三獣士に関しては、まったく役者の無駄遣いですな。
竹中直人、池田鉄洋、酒井敏也と、使い方次第では相当面白くなる役者を
使っているのに全く活きてない。
そもそも役者に気づかなかった。もったいない。
この作品で良かったのは唯一、北村一輝のみ。
彼だけがちゃんと仕事をさせてもらっていた感じ。ステレオタイプではあるにせよ。
かろうじて柄本明も。
あ、でも映画の色彩は良かったです。ここは大きな美点。
そこだけだな。北村一輝と色彩だけ。
まったくハードルを上げずに見て、
さらに予想を下回るとは思わなかった。
わざわざお金をかけて作るのなら、なぜもう少しまともなものを作らないのか……。
脚本をちゃんとさせるだけで天と地の差になるだろうに。
|
コメント