PR

☆<グッドバイ>

大泉洋主演。小池栄子・緒川たまき・木村多江・(水川あさみ・橋本愛)の共演。

魅力的な作品でした。
……わたしは映画好きというほどではないにせよ、けっこう劇場で映画を
見る方だと思いますが「面白かった!」でもなく「名作!」でもなく、
魅力的だと思ったのはそんなにない。

単に面白かったというよりも一段上を行く作品でした。作りが魅力的。
無から有を生み出すフィクションの良さを味わいました。

戦後すぐの話。……うーんうーん、戦後すぐかー。
わたしの戦後のイメージと違うなあ。主にファッションの点で。
まあその分野はわたしの詳らかにしないところだけれども。

その舞台っぽい作りが好きでした。と思ったら、元々舞台だったんですね。
そして賞も取っている。ケラリーノ・サンドロヴィッチってのも見に行った要因だが、
奥さんが緒川たまきだというのは初めて知った!

大泉洋が主人公にぴったりでしたね。可愛げが。
愛人を11人持つ男。それを全員精算して、奥さんと子どもを実家から呼び戻す、
というところから話が始まるので、11人全員登場するのかと思ったのですが、
さすがに4人で打ち止めでした。

その4人の愛人プラス本妻の競演が面白かったですねー。
やっぱり本作の手柄は小池栄子だと思うー。いつの間にかここまで来てましたか。

わたしは小池栄子が女優になりたての頃見た何だかで(多分「下妻物語」)、
「グラビアアイドルにしてはいい演技するな」と好感を持ったのだが、
それ以来がっつり見たことはなく。ゲスト役ではちょこちょこ見てたが。

今回見てびっくりしましたよ。
こういう言い方をしたらなんだが、最初、これ本当に小池栄子!?と思ったくらい。
声も喋り方も作って来ましたねー。そして汚い役ときれいな役の対比が!
正直、小池栄子にこんなに「美人で上品」という連呼がはまるとは……!

表情も見てて楽しかったしねー。可愛かったですよ。目がきらきらしていて。
そうか「魅力的な作品」だと思ったのは、
小池栄子の魅力が良かったという意味なんだな。
雰囲気が似ているという意味ではないけど、「アメリ」のオドレイ・トトゥの
表情の魅力を思い出させる。

で、それに次いで緒川たまきと木村多江がどんと控えていたと。
緒川たまきは若い頃から独特な雰囲気でしたねー。好きな女優さん。
久々に見た本作では、その独特な雰囲気にプラスして、もっとぶっ飛んでました。
それはそれで面白かった。笑えました。

木村多江は最近「あなたの番です」の怪演や、
「チコちゃんに叱られる」での奇演が常態なので、今回は意外と普通の役。
しかし普通の役を演じつつ、
そこから透けて見える怪優ぶりが役に面白みを与えていた。

劇場ではところどころ笑いも起き、面白かったです。
終盤は、まさかそう来るとは!という流れだった。
ちょっと無理も感じたけど、濱田岳の演技で自然に引っ張られた。

……あっ!濱田岳も良かったですね!
濱田岳もえらくなりましたねえ。クレジットが戸田恵子より後。

あっ!戸田恵子も良かった!実は見ていて、誰だろう?と思っていたが、
言われてみれば戸田恵子以外の何ものでもなかった。

これ、太宰治の「グッド・バイ」の翻案なんですねえ。
太宰治は高校の頃に何冊か読んで、その時すごく嫌いだったので、以来読んでない。
まあ映画が面白かったからといって小説は読まないと思うが。

 

 

コメント