うっかり「高原王」と「高丘親王」を勘違いしていた。
澁澤龍彦が「高丘親王航海記」を書いているし、仁木英之は仁木英之で、
何か幻想的な内容を見せてくれるんだろうなあと思っていた。
が、全く違いました。
そもそも高丘親王じゃなかったし。架空の高原を舞台にして、
魔術師や精霊や武闘家が入り乱れてイロイロやるという、……まあファンタジーとしては
かなりありがちな内容。
うーん。有体にいえば、全く面白くなかったですよ。
前半は設定を延々と書き綴っている印象で、終盤は話が始まってもいないのに終わるのか、という印象。
本人が書きたかったのか書かされたかはわからないが、「千里伝」の焼き直しといった感が強い。
一番力が強いはずの宗教王が「脱皮」も完了せずに、ほぼ登場もせず終わるんだものなあ。
まあ恩田陸あたりだって、たまには「なんだこれは」というものを書きますよ。
仁木英之もこれを教訓として、無理くり書くのは我慢した方がいい。
あ、今確認したところ、「千里伝」が2009年10月出版、
これは2010年2月の書下ろしだから、幻冬舎に無理に「千里伝みたいなのを書いて下さい!」
とか言われた可能性もあるかな。
そういうことにしよう。まあその後にけっこう書いているようだから
あんまり心配する必要はないかとは思うが。
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