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☆< ビブリア古書堂の事件手帖 >

雰囲気はとても良かったと思うのだが……
ふんわりした気分は今も続いているのだが……
5分の3くらいのところで、話が「は?」となった。

それがどこかというと、突然野村周平が「本を預からせて下さい!」というところ。
本自体は金庫に入れて置いた方が絶対に安全だし、そもそも大庭葉蔵が
栞子さんが持ってると思っている以上、本の保管場所を移しても栞子さんの安全は守れないよね?
なぜそこで「預からせて下さい!」なの?
話がおかしくないか。

そして案の定、わざとらしく本は盗まれてしまうわけ。
このお約束ぶりもあまりにもお約束で嫌だったし、
そこで「騙してたんだ!」と野村周平がへそを曲げて店を辞めるのもオイオイ、だったし、
あとはもう変なことばっかりですよ。
そこで本棚を倒すのは過剰防衛も甚だしい。首の骨でも折ったら死にますよ。
逃げるにしても、あやちゃんも連れて逃げてやれよ!なんで置いてきぼり?
なんで逃げるのにわざわざ人のいない方へ行く?とりあえず警察に駆け込めよ!
なんでわざわざ逃げ場のない防波堤?

わたしは愛書家じゃないけれども、あそこで本を投げるのはあり得ないね。
鹿島茂の本を読んでみろ、「子供より古書が大事と思いたい」とまで言ってるんだから。
実際に投げる必要はさらさらなかった。本を物質(ブッシツじゃなくてモノジチ)にして
「五浦さんから離れなさい!」で良かった。それで離れざるを得ないでしょう。
そしてあそこまで執着してるんなら、野村周平が飛び込んで成田凌が飛び込まないのはオカシイ。
本のためなら命も要らない、というのが愛書狂という人種。
まあ愛書狂にもレベルはあるだろうけれども。

あと、不倫を美しく描かれても困るんだよなあ……。
百歩譲って美しく描くとしても、それが背徳であることは明確にして欲しい。
夏帆の旦那がものすごくあっさり描かれており、東出と夏帆にほとんど葛藤が感じられないのがイヤ。
しかも東出も、のこのことまた店に顔を出すからね!信じられない無神経。
「お前に食わすカツ丼はねえ!」と旦那にたたき出されるべきだし、
一体東京オリンピックは何ヶ月続いているのかと。

全然確認もしないのに、野村周平と成田凌は従兄弟同士ってことに決まってしまったんですね。
可能性があるってだけじゃないか。

と、話としてはヤレヤレですよ。

だが、全体的な雰囲気は良かった。
……良かったが、上記のような罵詈雑言を吐いた後だと、さっきまであった余韻も冷めますな。
空気感はとても良かったと思う。前半はそれに浸って楽しく見られたんだがなー。

黒木華、わたしは出会いが悪かったので、どうも素直に良さを認められないのだが、
(わたしが黒木華を初めて見たのは「真田丸」なのよ。名前も知らなかった。
そしてそれが初見だと、……黒木華ってヒロインとしては顔が地味すぎるほど地味じゃないですか。
役柄も貧乏な武士の娘で、貧しい着物で。それでヒロインってのに拒絶反応が起きた)
今回の役柄は好きでした。演技は上手いと思う。声もきれいだ。

成田凌の正体を現してからの気持ち悪さが際立ってましたね。すごく上手いと思った。
今まで名前はなんとなく聞いたことがある気がするが、多分出演作はどれも見てない。
今後は少し気にする。

成田凌に対して、やはり野村周平は若干今一歩感がありました。
爽やかで良かったんですけどね。でも上記の話のオカシサを覆い隠せるほどの説得力はなかった。
そこまでは望みすぎだろうな。

夏帆は今一つ顔が好きではない人だが、雰囲気にはとても合っていた。
東出はこういう役柄だから仕方ないが、共感できなかった。ダメ男。
でもこの人読書好きなんだよね。こないだNHKの読書番組で松田正剛と一緒に
ホスト役をやっていた。奥さんも読書好きのハズ。

しかし幼少期のトラウマで本が読めなくなったというのは……カワイソウすぎます。
まあおばあちゃんの「あんなことをしなければあんたの人生変わっていたかもしれないねえ」の
台詞でかろうじてフォロー。フォローになっているかどうかは定かではない。
でも字だけの本というと高校以上の教科書はそうだろうから、成績は悪かっただろうな。
わたしは本を読みすぎて、見つかると「本ばっかり読んで!」とガンガン叩かれていたので、
未だに読書中に見つかるとびくっとします。これもトラウマでしょうね。

久々にサザンを聴いた。旧作だと思っていたが、映画のための新作なんだね!
サビがとても心に沿う。原由子はこのお年になってなんでこんなにカワイイ声……
私事だが、ものすごく久々にカラオケのレパートリーにしようかと思った。
わたしは音楽をうるさく感じる方なので、基本、車に乗っている時しか聴かない。
この前新曲をマスターしたのは「あとひとつ」。あれは楽天優勝の時だから……もう何年前だろう。
自分が歌う曲の変わり映えのなさに飽きている。

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