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◇ 仁木英之「千里伝1~4」

少年武闘ファンタジー於:異世界古代中国。
ひらったくいえば、「ドラゴンボール」系列。

「ドラゴンボール」ほど簡潔な話じゃないけれども。そしてあれほど長くはないけれども。
一応千里は歴史上にいる人らしいよ。
わたしはそういった名前の人を知らないし、知らなくて読んでも全く問題ないけど。

ごつごつしたファンタジー。
もう少しサクサク読めるファンタジーを、この人なら書けたんだろうがあえてのゴツゴツだろう。
主人公及び登場人物にはあんまり感情移入が出来ないかもね。
千里わがままだし。特に1巻は。
パソンはいい奴なんだけど、最初いい仲間だったはずの絶海がなあ……途中で人格が変わる。
まあそういうのも含めて山あり谷ありのファンタジーなんだから仕方ないか。

ただ固有名詞のつけ方のセンスが……
あれは元ネタがあるから仕方ないってことなの?そういう縛りがなくてあの名前のつけ方なら
少々難を感じる……
“蔑収”とか、数少ない女の子の名前としてあり得ないんですけど。

仁木英之。ライトノベルはライトノベルかなあ。でも、いい方のライトノベル。
「僕僕先生」でファンタジー大賞取ってデビューしたらしいが、
その「僕僕先生」を10巻まで出したんだからかなり大したもんです。
新人賞ってファンタジー大賞くらいしか知らないけど、普通新人賞にシリーズ物の1になるほど
完成度の高い作品ってなかなか出せないでしょ。

そういう経緯から、案の定エンタメ作家としてかなり成功しているようで、出版点数もかなりある。
歴史を基にしたファンタジーが多いようだね。これからツブすつもりでいる。
若干薄味ではあるが、不満はあまり持たずに読める作家。
あれと似ている。……ほら、あれ。えーと、宇月原晴明。作風はだいぶ違いますが。
あっちはコッテリ系。

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