アイルランドの歴史ミステリー。あれ?歴史ミステリーというと、歴史の謎なのか?
昔のアイルランドが舞台のミステリ。
イギリスでいえば修道士カドフェルとかも好きだったしね。
この話で何が一番面白い部分かというと、全然知らないヒストリカル・アイルランドの知識。
7世紀らしいですよ。舞台は。
7世紀っていうと……日本でいえば大化の改新とか。
そして主役は王の妹で、弁護士で尼僧。……でもそれってほんとかなあ?と思う。
7世紀で法廷弁護士。うーん、法廷弁護士。役割は現代では法廷弁護士でいいとしても、
ほんとにその訳文でいいのかなあ。7世紀のアイルランドの法廷。うーん。
法廷弁護士っていうとスーツ着てるイメージだし、あまりにも現代的にシフトしすぎる気がする。
同じものを表す単語も、時代と地域で変えるべきだからね。
簡単な例でいえば、古代日本だって大王と天皇は当時の世界のトップという意味では同じだが、
やはりその使い分けは厳然としてあるわけで。
原文が例えバリスターだとしても、自動的に法廷弁護士でいいのか……その辺疑問。
しかしそうなると、バベルの塔が崩れて以来の人類の大問題である「不実な美女か貞淑な醜女か」
になってくるんだけどね。
全体的にも訳文がちょっと微妙。まあ読めたけど。
一応今後、シリーズを読んでいく予定なんだけど、日本での刊行順と時系列がずれてるらしい。
そういうの迷惑だよね。なので本作はヒロインであるフィデルマが当然のように活躍していて、
1作目ならちゃんと紹介されていて、もう少し印象的だったろうにと残念だ。
![]() 蜘蛛の巣(上) (創元推理文庫) [ ピーター・トレメイン ]
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