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◆ 東大寺・奈良を彩る花の襖絵展

初めて行ったTFUギャラリーミニモリ。
東口の東北福祉大学……といって全然ピンと来ない向きもあるだろうが、昔の代ゼミのところです。

エキシビの感想というより、ミニモリの感想になってしまうが、狭いは狭い。
1階と2階に会場が分かれていて、何しろ一応大学の別館の中の一隅なので、
そういう意味では特殊は特殊で面白みもあるのだが、エキシビの会場としては物足りないかな。
特に2階が、大きめの部屋1部屋だけなので「2階もあります」というほどのことは……という感じ。

まあ見どころは1階の小泉淳作の襖絵でした。

「蓮池」12面かな?いかにもお寺的主題。
蓮花は散ったのからつぼみから散り際から紅白薄紅色々取り交ぜて描いてるのに対して、
蓮葉がいまいち。葉脈が見える距離からの鑑賞だと若干印象は良くなるんだけど、
遠くから見ると、葉っぱの描き方が一様すぎて……
あんまり上手いと感じない。素朴。

「吉野の桜」4面
「しだれ桜」4面
「東大寺本坊の桜」4面
これは良かった。

「吉野の桜」は6本。点描。
幹・枝が桜らしからぬカーブを描いており、若干現代アート風。
これはリアルな桜のイメージ。ソメイヨシノ。
今は桜の季節で、近所の公園の桜がまさにこんな風に咲いてる。

「しだれ桜」1本の桜。三春の滝桜がモデルかなとも思う。
これは桜型をびっしり。何千個もの桜。万を超すのか。よくもまあこんなに。
夜桜のせいか、濃淡3色か4色。立体感がある。

「東大寺本坊の桜」2本。これは光を透かした桜。これも桜型。明るく軽やか。輝く。

襖絵の他に、掛け軸っぽく本尊っぽく聖武天皇と光明皇后の肖像画があり。
しかし聖武天皇は座像だが、このデッサンの下手さ加減はなんなんだろうか。
光明皇后の方は立像で、まさに鳥毛立女屏風の写しのよう。衣装の模様のデザイン性が高い。
高いが、模様は着物のひだなどの影響を全く受けず、ほぼそのまま。貼り付けたよう。
この人、技術があった人なのかね。素朴っていうか拙ささえ感じる。

2階は須田剋太なる人の絵と、榊莫山の書と絵、三好和義の写真13点。
2階はあんまりみどころがなかった。榊莫山の絵はきれいな緑で良かったけど。
三好和義はそんなに好きな写真家じゃない上に(はっきりくっきりしているところが苦手)、
絵と写真を並べて飾られると、写真は写っているものだけをつい見てしまう。
写真は入江泰吉とかが好きだな。普通で。

入場料は前売り500円。500円なら妥当だな。当日券は700円。
700円だと内容に対してちょっとお高く感じる。

でもまあ桜は見ごたえがあったよ。仙台市博物館も宮城県美術館も、
今年はあんまりこれというエキシビをやってくれないようなので、やってくれたことに感謝する。
襖絵展とタイアップをしている東北歴史博物館の「東大寺展」が
今の所一番のエキシビですか。しかし東北歴史博物館のエキシビには一抹の不安がつきまとう。
見せ方が下手なんだよなあ……。と、2回見ただけでいうのもなんだが。

しかし仙台市博物館は、3、4ヶ月休んだっていうのに、一発目のエキシビが地味地味地味。
7月のアンデス展はそこそこ派手だが……しかし南米ものは何度か見てるから、
もしかしたら飽きてるかもしれない。
宮城県美術館は今年の少なくとも9月までは食指が動かない。

美術はたまに見たいものなので、エキシビがない時には画廊巡りでもしてみようかなあと思い始めてる。
「欲しい!」と思う絵があるもんなのかという観点において。
3万から5万くらいなら出せるかなあ。そんなもんでは欲しいと思う絵はないかなあ。

あ、でも今年6月は足立美術館に行く予定なので……そこで美を補給してくるか。

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