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< グレイテスト・ショーマン >

映像特化作品。

奇しくも映像特化作品が続いた。「KU-KAI」とこれとね。
まあ空海ほどストーリーが添え物ってわけではなかったが……これも話はあっさりですね、相当。
ミュージカルであまり深みを求めても仕方がないが、なんか骨格だけを並べすぎた感じ。

〇貧乏な少年とお金持ちの少女の純愛。
〇狭いながらも楽しい我が家。
〇山っ気を出して見世物小屋をオープン、しかし流行らず。
〇フリークスを集めたサーカス風ミュージカル、その経済的成功と世間的な毀誉褒貶。
〇仲間としての存在。相棒を見つけて。相棒はフリークスの一人に惚れる。
〇上流階級の仲間入りをしたくなってヨーロッパから人気オペラ歌手を連れて来て成功する。
〇成功したオペラ歌手にやにさがってくっついてって不倫の瀬戸際へ追いつめられる。
……なんか飽きたのでこのくらいで止めますけど、これで60%くらいか。
映画の尺に対してあまりに要素がありすぎて、この箇条書き程度しか話が深まってない。

思い付きで見世物小屋をはじめて、全然お客が来なかったら経済的に相当逼迫すると思うんだけど。
そこから人を集めてサーカスに移行する時の金集めの苦労とか全然書かれてない。
不倫になりそうになるシーンも、いうたら2分くらいで、もうほんと話としては全然。
しかも一方的に誘惑される方で、しかも拒絶するんだから「いい人」でしかない。
話の薄さはテンポの良さと表裏の関係だから、そんなに欠点として扱うべきではないのだろうが。

まあ見てて楽しい映画なんですけどね。
音楽とダンスは素晴らしいですよ。これぞエンターテイナー!というべき。
ジャックマンと奥さんのダンスシーンも良かったし、当然ながらフリークスのダンスも良かったし、
シルクドゥソレイユみたいな空中舞踊も良かった。映像も派手でいい。
歌も良かった。良すぎて若干鼻につくかも。

あ、何より最初のシーンが良かったな。すごい舞台っぽかった。
舞台が始まる時のわくわく感を思い出した。ここの作りは考えてた。
ヒュー・ジャックマン(ではないけど少年時代)はここでもパンを盗んでいるのであった。

興行師をあまりに善人に書きすぎたんだろうね。なので話が平板になってしまった。
いい夫でいい父親。あの情況なら実際はもっとどっぷり不倫だろうと思うが、相手の女から
突然キスされただけってことでバーナムにはほとんど責任はないことにしている。
フリークスへの感情も、そこまでキレイなものだったかどうか……

まあでもダンスと歌で十分な映画なんだろうな。しかしここまで評価が高いのは不思議だ。
空海とどっこいどっこいかと思ったが。
……見終わった直後はなかなかの名作と感じた(今でも見てよかったとは思うが)。
でも時間が経つに従って、話の至らなさが気になってくるという映画。
やっぱりミュージカル映画にしてももう少し話を何とかしてほしかったですね。

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