PR

◆ フィンランド・デザイン展 フィンランド独立100周年記念。

宮城県美術館にて。もうすぐ終わる。

予想よりも数が来ており、見せ方も良かったので面白かった。
だが大層なマイナスポイントが一つあり。出展目録がないの。
いやしくも美術館のエキシビであれば、出展目録は準備をしていて欲しいところだ。
まあ細かいの多くて面倒だろうけれども。

なので、どれがどれで印象がどう、ということはメモできなかった。
総じていえば、

とにかくラインが命。

シンプルで理性的で、絶妙なカーブを持つ食器たち。極限までラインを追求していると思う。
それは逆に、……デザイナーごとのラインが微妙すぎて、みんな似たようなものに見えてしまうということでもある。

わたしは今回初めて、イッタラというブランドネームを知ったんだけど、この赤いiはよく見るよね。
イッタラ製品もアラビア製品もかなりあって、イッタラのガラスの器なんて、いろんなバージョンが来ていた。
これをデザイナーごとに見分ける自信は全くないなあ。
まあイッタラ製品として世に出している以上、あまりデザイナーごとの癖を出すもんでもないのか。

岡本太郎風な、芸術は爆発だ!系の原始的なパワーを感じるものはない。
これも持って来様だとは思うがね。今回は工業デザインでかっちり収束したものばかりだ。

入り口の辺りはおそらく工業デザインになる前がなり始めの、150年前の製品なんだけれども、
150年前にこんなモダンなデザインが!とびっくりしたマグカップがあった。
真っ白で、細かいボーダーが交互にリングになってるの。←説明が怪しい。
その手前のコーヒーポットのラインも直線で無駄がなくモダン。あれはデコの流れかね。
多分フィンランドの好みからいえば、デコはかなりもてはやされたのではないかと推察される。

木製の食器棚?も素朴ながらよく見ると細部の飾りが丁寧で、手仕事の温かさと細かさがあったな。
この商業デザイン前史部分がもっと欲しかったなー。民族的なものももっと見たかった。

物として大きいから、眼を惹いたのはテキスタイル。
洋服として仕立てて展示しているものと、2メートル幅ほどの布を天井から下へ何種類も
垂らして展示しているものとがあったんだけど、布のままの方はほんとに派手だったね!
あれは何?壁紙?何に使うんだろうか。インスタがよくわかるな。
まあチョイスの問題だろうけど、やはり日照時間が短い北欧は、精神的にこの明るさを求めるんだろうなと思った。

洋服のデザインで写真展示があったんだけど、まるで心霊写真に見えるような一枚があった。
白黒の写真で、ポンチョみたいなデザインのワンピース。
「え?これ背景透けてるよね?でもここに透ける素材を使ってると、身体はどこにあるわけ?
足の部分、背景が繋がっているが、これって足なくない?」と、友人と二人で悩んだけど解決に至らず。
これは回答を教えて欲しい。

あとはアアルトの椅子と……あ、椅子は玄関ホールでいろんな椅子を並べて、実際に座れるようになっている。
ボールチェアは超座り心地が悪い。多分腰をやる。足を外に出すんじゃなくてすっぽり入ってしまえばよかったのか?

十何脚あった椅子のうち、座るだけで癒される椅子が1つあった。腰のホールドがぴったり。
でも友人は全然合わなかったといっていたので、体格の問題なんだろうな。

見て面白かったし、フィンランドなんてめったに触れないので、満足感は高いです。
ただ1回くらい見ただけでは、スウェーデンやノルウェイと差別化が出来るかというと……
まったく自信はないですが。

コメント