沢村一樹は好きなのであった。好きなわりに、いまだに「いっき」なのか「かずき」なのか悩むんだけれども。
「いっき」なんですね。でも多分オボエラレナイ。
この人の出るコメディはわたしにとって当たりが多い。と思う。
ゴチャゴチャ騒がしい話で、適当感も若干漂うんだけれども、わたしは意外に面白く見られた。
テーマはシンプルに「身近な人に助けてっていいましょう!」……すごく適当なまとめだけどそんなもん。
昔、俵万智がこう詠んだ。
助けてといえばあなたは会いに来てくれるだろうかくれぬだろうか
そう簡単に助けてとは言えないよね。そして実際助けてと言ってばかりいるとうざったいだろうな。
……という風に考えないようにしなさいよ、というドラマ。
ベタといえばベタな主張で、作り手側がどこまで本気でそれを訴えたかったのかは微妙なところだが、
まああえて言えば共感しましたよ。
沢村一樹のベタぶりはいいとして、稲森いずみも可愛い奥さんでいいとして、大杉連のコッテリ感もいいとして……
あの金髪はどうなのか。
ジャニーズという色眼鏡で見てしまう。しかし勝地涼のウザったさもけっこうなもんだったから、
彼らは演出のせいだと思うことにしよう。そうしよう。
中村アンが意外に良かった。女優さんもやっていたんですねえ。アンドロイド風な美女を崩さないながらも、
ユーモラスな味わいを醸し出していた。お手柄。
志田未来のブスな泣き顔に女優魂を見た。泣きのシーンでいつも笑ってしまった。いいですね。
女装のカレは稲葉友という人だそうだが、女装役にする必然性があるか?と思いつつも
(でも最初の誘拐事件では必然性100%ですな)いい造型だったかも。イケメンと演技でぎこちなさ漂いまくりだが、
その違和感も含めていい造型かもね。
唯一なんとなく不満なのは小出恵介ですか。
この作りのドラマのなかで、唯一シリアスで面白味がない。まあ面白味は求められない役だろうけど、
味わいが足りない。旨みのない役でしたな。
さて、それでこのドラマの最大の焦点たるラップですが……
わたしはいいと思ったよ。
はるか昔、スチャダラパーが好きだったので、ラップにも若干親しみを持っている。
日本語のラップは難しいですよね。まずそもそもリズム感のある言語とは言い難いし、
同音異義語が多いわりにあんまり韻が面白く展開しないし、その2点でハードル高い。
でもラップの要諦は3番目に主張あるいは風刺諧謔ですから(当社比)、この部分で歌詞がんばってた。
これはドラマを作る上でけっこう手間がかかっただろうなー。ちょちょっと作れることもあったかもしれないが、
10曲?分はなかなか。お疲れ様でした。
志田未来もがんばってた。あれがいかにもなラップ小僧とかだったら全然面白くないだろうし。
志田未来で正解。
面白かったです。
Huluにて視聴。
(配信番組は随時変更があります)
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