アメリカ文学最短コース遍歴中。
こんなに辛気臭いのはちょっとどうもね。まあ、とにかくひたすらドライでビターなアメリカ文学を出発点として、
ここに来てようやくジメジメと湿っぽい作品が出たことが感慨深い。というべきなのかもしれん。
感慨深いが好きではない。読みやすいけれども。
長さ色々の短編集。
表題作の「レンブラントの帽子」はどちらかというと短い方かな。
タイトルからすると、ほのぼのとまではいかなくても、すっきりした小粋な話なのかと思う。……と、これが違う。
美術学校の教師同士が、片方が被っていた帽子について「レンブラントの帽子に似てますね」と言ったことをきっかけにして
感情がもつれあう、そのもつれ具合を縷々書いた小品。
……こういう気の回し方ってすごくよくわかる。
だがだからといって、わかることが作品についての好感には繋がらない。
しかもこの話はラストは分かり合って終わって、わりと後味がいいんだけど、
話し合いもしないで、内心の忖度だけで、相手の心境についての正解にたどり着くのは不可能なんじゃないかと。
他人の心がわからないわたしはそう思うよ。
都合が良すぎないかしらん。
![]() 【単行本】 レンブラントの帽子 バーナード・マラマッド 著 小島 信夫 訳 夏葉社 島田潤一郎 小説 エッセイ 詩 ポエム デザイン 詩集 絶版 復刻 国内 海外 BOOK デザイン 本 書籍 【RCP】
|
コメント