PR

< そして誰もいなくなった >(テレビ視聴)

イギリス制作のドラマ。
言わずと知れたクリスティの「そして誰もいなくなった」のドラマ化。1時間を全3回で。
(しかし今検索したところ、現代日本では「そして、誰もいなくなった」←藤原竜也のドラマ。全く別もん。
の方が認知度が上かもねー。迷惑な話だ。名作のタイトルをそのまま←ナカグロや句点で誤魔化すな!
流用するのは本当にやめてほしい。そのネーミングセンスがナサケナイ。)

原作は多分高校生の時に読んだと思う。高校の図書館にあったクリスティを軒並み読んだ記憶があるから。
クリスティ、好きだったんですよ。多分ミステリでは一番好きな作家かなあ。
どうやってそして誰もいなくなるのか、本当に納得出来るような落とし前をつけてくれるのか、
半信半疑で読んで、そして、ほほーとは思った結末だった。まあよく考えはるよね、アガサさん。

ただ、たしか原作だと最後の謎解きが犯人の置手紙かなんかだった気がする。
あまりにも昔ではっきり覚えてないけれども。違ったらゴメン。
そして、置手紙だと、インパクトという意味ではだいぶ薄れるよね。なので今回のドラマの結末は大正解。
知らなかった人は相当驚いたのではないかと思う。

しみじみ思うが、イギリスはドラマをしっかり作るよなあ……。
まあ、わたしが海外ドラマを見始めたのはほんのここ数年で、見たというほど見たのは……
アメリカ・イギリス併せても多分10本内外かな(^^;)。
海を渡ってわざわざ放映されるということは、名作を保証されてるということだしね。

今回のこれ、3時間というのは長すぎず短すぎず、ちょうどいい詰め具合だったと思う。
出来うるならば、NHKにはこれを3夜連続でやって欲しかった。
(わたしは録画したのを4日で見たのでほとんど連続して見たから問題ないけど)

多分本国では実力派な俳優さんたち勢ぞろいなんだと思う。まーみんなお上手だよね。
群像劇。きっかり10人の(あ、船頭さんがいたか。いやいや回想では色々出てきたか。)群像劇。
演技力の差が大きすぎたらバランスが崩れる。サスペンスだからバランスの崩れは致命的。
そこを上手く持って行く。ちょっとツライ役柄の人が一人いたけど、最初に殺されて早々に退場して吉。

回想(妄想)と現実の混ぜ方が実に上手い。脚本の構成力っていうんですかね。
こういうの、日本のドラマでも見習って欲しいなー。
……しかしそういえばわたしはみっちりしたドラマに食指が動かないので、構成が見事なドラマに突き当たらないのは
その辺が原因かもしれない。シリアスなのは見る気にならないんだよね。
軽いドラマに構成力を求めるのは無理があるのか。いや、そんなアマイことを言ってはどうかと思うが。

リアルに可能な犯罪か、というとだいぶ怪しいけれども、ここまでしっかり作られると文句を言うのも忘れる。
あ、でも文句を言いたい点は1つあって、全体的に画面が暗すぎること。
わたし、画面が暗いの嫌いなんだよね。嵐の別荘だし、ろうそくやランプを使っている設定なんだから、
暗い方がリアルなんだろうが、もう少し明るくして欲しかった。

終盤残る人間の関係性は(ネタバレにならないように言うのは難しいね)原作にはなかったと思うが、
ああいう風に改変したことでちょっとしたアクセントにはなったと思う。月並みになったともいえるかもしれないけど。
まあ好みによる。わたしは嫌いじゃなかった。

ベネディスト・カンバーバッチの「シャーロック・ホームズ」と比べて原作への忠実度は格段に上。
すんなり見られると思う。多分NHKは再放送をがんがんすると思うので、
見逃した人もしばらく待っていれば見られると思います。

コメント