初安吾。
文章が軽くてびっくりした。カタカナの多用。わたしもよく使うけど、それはここから来てるのか。
まあ坂口安吾の場合はやりすぎだと思うけどね。
日本文学史上の人だと思うから、こういう文体は予測してなかった。
今回はちくま文庫の「坂口安吾全集Ⅱ」。推理物を集めたもの。
文庫と言っても800ページを超えるし、軽い文章のわりには読みにくかったから、
多分1週間では読み終わらなかった。もっとかかった。
表紙絵の横尾忠則がいかにもな感じ。
個々の作品に触れられるほどしっかり読み込みはしなかった。さくっと。
全体的にけっこう話がシツコイんですよねえ……。
最初の作品が、目当てで読んだ「不連続殺人事件」だったんだけど、
50ページまであたりで(多分)主要登場人物が20人くらいになった時には辟易した。
そんなに覚えられませんよ。その上、人間関係が錯綜しまくりだし。キャラかぶりもいる。
把握しないまま読んだ。何となく。
その他の「復員殺人事件」「投手殺人事件」とか……短編、中短編くらいのが10編くらい。
最初の「不連続殺人事件」が一番長くてガッツリ書いており、後に行くに従って短く、話も適当になる。
でもまあまあ楽しめた。小説を楽しんだというよりは坂口安吾の人となりを楽しんだという気がするな。
文章のすぐ背後に息づく書き手。
!!ちくま!!
今気付いたが、これ全集の11巻じゃないか!背表紙と内表紙が「ⅠⅠ」になっているぞ!
天下のちくまが。これは笑える。
![]() 不連続殺人事件改版 [ 坂口安吾 ]
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仲間内の一人のA。パチンコ好きでヘビースモーカー、我々の中では珍しくちょっとオシャレで、
全然本なんか読まないように見えた人。
でも実は坂口安吾が好きで、文章を書かせてみればファンキーな名文家だった。
坂口安吾の名前を聞くと思い出す。元気だろうか。今どこにいるんだろうか。
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