最初の一話はテレビでスペシャルとして放送し、その後の6回はHuluで見てね、という
典型的な落とし穴ドラマ。そういうやり方は若干エグさを感じるが、営業手法としては正当。
ドラマとしても面白かったしね。
元ネタは海外ドラマだそうだ。
そっちも当然Huluには来ているので、見ようかどうしようか迷ったが、
こっちのドラマの印象を壊したくなかったのでとりあえず止めておいた。見るものがなくなったら見るかも。
唐沢寿明がこの役にダダはまり。
事件中の爆発事故に巻き込まれて、30年間眠り続けていた刑事という設定で、
無駄に熱い青春野郎。中身は22歳、肉体年齢は52歳。
それがとっても唐沢的。あつっくるしいんだけど、江戸っ子的なさわやかさもあり、いい味でしたよ。
小学校の時の人気者の男の子、というタイプ。もちろん今の小学校ではない。昔のね。
重要なプロットとして、30年間寝てる間に、結婚して2,3年だった奥さんは
後輩の刑事と再婚しており、しかも当時2歳だった娘は後輩のことを本当のお父さんだと思って育っている。
なので自分が本当のお父さんだということを娘に言えない。ということがある。
ああ、これは切ないなー。
寝て醒めたら30年経っていたわけだから、本人は昨日と連続している今日な筈なのに、
その間に娘は30歳すぎて(ドラマの中の描き方では20代半ばくらいに見えたけど)、
妻は後輩(今は課長=上司)の奥さん。一瞬で家族と30年を失ったんだもん。
でも今回のドラマでは、そこをあまりセンティメンタルには描いてなかった。
なにしろ唐沢のキャラが熱血漢で、そりゃあもちろん「目覚めたら全てを失っていた。生きていたって仕方ない」
という愚痴も何回か出て来るんだけど、それは無理ないわねえ。
普通の人だったらショックが大きすぎてそこから一歩も動けないかもしれないのに、
唐沢の役は、それはそれとして色々突っ走ってしまう。そのバイタリティが魅力。
奥さん役は和久井映見。はまってましたねー。
地味だけど気が強くてしっかり者。
結婚して数年だった唐沢に対しての愛は、もしかしたら現在の夫よりも強いかもしれないけど、
その後の30年の絆の価値も十分に認識している。複雑と言えば娘の立場以上に複雑なのに賢い振る舞い。
演技的にも出過ぎず、引っ込みすぎず。好演。
お父さんの宮川一郎太もはまり役。30年前は唐沢に憧れていた後輩だった。
その唐沢があんなことになって、その奥さんである和久井映見を励ましているうちに……というのは
人間心理として全く自然なことだと思うし、宮川一郎太にも一点の曇りもない。
いいヤツ。いい父でいい夫。
そして唐沢のまさかの覚醒に、複雑な気持ちがあるのも全く無理ない。
ま、全体的にコメディなんですけどもね。
コメディと人情もののバランスがとても良かった。
窪田正孝なる人が若手刑事を好演。
……と思ったが、Wikiを見たところ、“なる人”じゃなかった!
「浪花の華~緒方洪庵事件帳~」でしっかり見てるやないか!このドラマはかなり好きだったのに!
栗山千明の美形ぶりしか覚えてない。窪田正孝が主役なのに。
いつの間にか濱田岳が主役だったような記憶にすり替わっていた。
「ゲゲゲの女房」の倉田さんも見てるやないか!全然気づかなかった。
でもけっこう顔変わりましたよね?輪郭がだいぶ削げましたよね?昔はもう少しふっくらしていた。
まあ言いわけですが。大変すみません。
次は「臨床犯罪学者 火村英生の推理」を、テレビの録画をしそこねたのでHuluで見る予定。
けっこう楽しみにしている。有栖川有栖の作品好きだし。
そして娘役の佐々木希なる人。こちらは間違いなくわたしにとっては“なる人”で、
名前も顔も全然知らないのだが、Wikiを見たところ、……多分世の中に知られた人だろうと思います(^_^;)。
まあわたしはリアルタイムではほぼ全くテレビを見ないし、誰でも知ってるニュースも8割くらい知らないし、
流行り始めたギャグやタレントを、一年くらい経ってからようやく見る、という生活なので……
あんまり上手いとは思わなかったけど、雰囲気は良かった。
こういう娘ならどっちのお父さんにとっても自慢の娘だろうと思わせたのはお手柄。
佐野史郎はいいんだけど、彼が出てきた時点で役柄がほぼわかってしまうというのはイタイよなー。
でもカワイゲのある役柄だったからいいとしよう。最後は、なんでその行動!?と唖然とするが、
……カワイゲがあったからいいとしよう。
あ、そうそう、ムーンライト清美も良かったですね。
安心して見てられる、いい作りのドラマでした。
懐かしさもコミですかね。斎藤由貴の歌を上手く使ってたりしたからね。
Huluがんばった。がんばって金を出した。
最後のNG集面白かった。かなり笑った。ジャッキー・チェンの映画の写しですね。
Huluにて視聴。
(配信番組は随時変更があります)
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