PR

< BONES ――骨は語る―― シーズン4 第23話 仮面をかぶった女 >(Hulu視聴)

「BONES」は順調に消化している。我ながらよく飽きないなと思うくらい。
平均一日に一話くらいは見てるか。現在シーズン4を全部見終わったあたり。半分まで来た。100話近い。

全体的な流れは相当にマンネリだ。水戸黄門並みに。
しかし感心するのが、毎回入り方を相当工夫していること。
よくもここまで色々シチュエーションを設定出来るなあ。全体の話はマンネリでも、
最初の入口の画柄に工夫があるので、すっと話に入れる。頭いいと思う。作り手は。
まあ話によって若干キャラにブレはありますけどね。許容範囲。

しかし時々、テンペランスは無神経すぎて超憎たらしくなる時がありますよね。
一体何が良くてみんながテンペランスを慕ってるのか疑問に思うくらい。
特にアンジェラは相当ひどいことを言われ続けていると思います。よくあれで親友をやってられるものだ。

※※※※※※※※※※※※

なんでこの話を特に取り上げたかというと、日本がフィーチャーされている回だから。
それも、今までにないくらいの取り上げ方。こういうつくりは珍しい。
中国へ行く飛行機の中で殺人事件が起こった回もあって、
若干中国要素が含まれてたけど、あくまで若干というだけでメインはいつものアメリカンなドラマ。
何しろ中国本土に着陸するまではアメリカの捜査権が及ぶというのがポイントだったので、
あまり中国中国した話ではなかった。

それが今回は、日本要素満載。

   ブース、日本に行ったことがあるなんて初耳だよ。
   しかもそんな日本人の親友いるんだ?
   ……でもこの(というか全ての)日本人役の役者が日本人じゃない。
   「ありがと」「じゃあまた」のイントネーションが変だ。日本語が喋れない人だ。
   こういうところで日本人の役者を使ってくれればいいのになあ。
   アメリカあたりで日本人の役者のタマゴなんていくらでもいるだろうに。英語のハードルが高いのか?
   でも登用されたのはわりとかっこいい方の役者。ガタイいいし。
   日本人の外見を揶揄しようという意図は感じられない。

   日本のデザインのもの、と断定できるほど特徴があったとは思えないが。
   今どきは日本といったらまず「アニメ・オタク」が第一義ですか。あとキティちゃんと。

   旭日大褒章は政財界の大物用。まれに学者に与えられるかもしれないけど、
   論文を書いたくらいではそんな若造がもらえるものではないよ。人生の総決算的なご褒美だから。
   平成になってから学者でもらったのは、Wikiをざっと見、江崎玲於奈と小柴昌俊さんの2人だけ。
   ノーベル賞をとってなおかつお年寄り対象。
    
   日本人のわたしとしてはタナカ博士は何の疑問もなく女性なのだが……
でもこの人も、日本人なのかどうかわからないな。
   これは日本人男性は女性的に見えるということなのかなあ。まあ比較をすればアジア人は
   体格的にひょろひょろしてるしね。特に若者は。
   「カメラにメガネ、七三分け」的な日本人像を持ってこられなくて重畳。
   そろそろそのイメージは脱したのだろうか。

   西洋人のお辞儀ってなんであんなに様にならないんだろう。
   このドラマではわざとコミカルにやっている部分もあるだろうけどさ。
   フィギュアスケートの国際大会とか見てる分にはお辞儀について違和感を持ったことはないんだから、
   お辞儀をするスタイルが全くないとも思えないんだけど……

   口蓋を調べてて「放物線状で縫合線はまっすぐ(なので)日本語を話していた証拠ね」と
   テンペランスは言っているのだが、これってどういう意味なのかわからなかった。
   頭蓋骨から話者の母語がわかるのか……

   BGMが尺八。

……とかいちいち書いていると永遠に終わらないな。切り上げよう。
ストーリーはだいぶ込み入ってて、正直あとで思い返してもどういうんだったか思い出せない。
しかし力を入れて作っている回だったとは思いますよ。
“日本、この不思議なるもの”という作り手のテイストを感じた。
若干の揶揄とともにリスペクトも。リスペクトが言い過ぎならば、好意的な好奇心。

このドラマはアメリカの平均的なスタンスの人々が見るドラマだと想像する。
時々、少々人種的にどうなのか?という部分もある。そこをわたしは平均的なアメリカ人の見方だと理解するが、
実際はどうなんだろうね。
助手役で時々出てくる何とかさんというムスリムの描き方なんか、けっこうひどいかな……。
ムスリムの一日5回の礼拝を職場の能率的に困ったものだと描いてはダメなんじゃないかね。

あ、そうそう、このドラマでもう一つ。

タナカ博士が、名前を知らないアンジェラのことを「あの中国系の女性」と表現し、
それに対してアンジェラが軽い不快感を表し、ナカムラが「そういう表現は日本では失礼に当たらないんです」と
言い訳したけど、そこに言い訳が必要なことにとても戸惑いを覚える。

日本国内で外人外人と言われ続けるのは、実際に居留している外人にとって相当に鬱陶しいことではあろうが、
日本人はやはり日本人以外を目にする経験が歴史的に少なかったからね。
日本人としては「あ、外人だ」と思う感覚は無理ないと思う。
そして、名前がわからないアンジェラについて、背がこのくらいで長い黒髪で少し口が大きい……と説明するより、
一発でわかる「中国系の女性」と説明するのは無理ないよなー、と思う。

でもそれが差別だ、人種について口に出すのはまかりならんというのは……なかなかに不自由なものを感じる。
それだけ、それこそ歴史的に、人種問題について苦労してきたという経緯があってこそだろうけど。

やっぱり外国人の描く日本にはナーバスになってしまうかなー。
今回のドラマは意外なほど好意的だった気はするけどね。小説とか映画で、時々思わぬ文脈で日本が
ちょこっと出てきたりして、それが制作年代によってだいぶ取扱い方が違うのも興味深い。
まあわたしはあまりハードに日本を取り上げたものは(たとえば戦争映画は)見ないんだけど。

全体的に興味深かった。

Huluにて視聴。
(配信番組は随時変更があります)

Huluで今すぐ視聴!今なら無料視聴実施中!

おっと。シーズン4全部でこの値段なのか。
ドラマは高いってイメージがあったからだいぶ割安に感じる。
わたしは連ドラのDVDの適正価格ってこれくらいじゃないかと思いますよ。

コメント